電子書籍関連銘柄の【9467】アルファポリスが株価5.5倍を記録!
【3393】スターティアや【2389】オプト、【3791】IGポートも株価が2倍以上に跳ね上がるなど、紙媒体の書籍が不況でも電子書籍市場は堅調に拡大しています。
海賊版サイトの漫画村問題もあり、世間に広く知れ渡った電子書籍関連は株式市場において要注目のセクターといえるでしょう。
今回は今注目すべき電子書籍関連銘柄と、これまで上昇してきた理由を分かりやすく取り上げていきます。
1.まだまだ市場拡大中の電子書籍関連
電子書籍とは何か、今注目のセクターと併せて見ていきましょう。
1-1.電子書籍とは
電子書籍とは漫画や雑誌などをスマートフォンやタブレットといった、デジタル端末でも読めるようにしたもののことをいいます。
電子ブックやデジタルブック、Eブックやオンライン書籍とも呼ばれています。
電子書籍の魅力はなんといっても、いつでもどこでも好きな時に購入できてすぐに読めるところ。
気になる書籍のデータを端末にダウンロードするだけなので、書店まで買いに行く手間も省けますし場所も取りません。
電子書籍そのものは1990年代から存在していたものの、読むためには専用端末を要するため需要は限定的でした。
しかし米Apple社が2010年に電子書籍を楽しめるタブレット「iPad」を発売し、最初の火付け役に。
当時電子書籍向けに編集及び配信を行っていた【4348】インフォコムが僅か1ヶ月で株価2倍、長期で6倍以上の上昇を見せました。
その後もスマートフォンやタブレットが普及し、電子書籍の利用者も増加していきました。
1-2.海賊版サイトへの緊急措置で関連銘柄が上昇
電子書籍を楽しむことが当たり前になったころ、海賊版サイトの問題も出てきました。
本来有料のものを無料で読めるため利用者は急増。
中でも日本で販売されている漫画をネット上に違法アップロードし、無料提供を行っていた「漫画村」は月間9,000万以上のアクセスがあった超大型海賊サイトです。
被害額は3,000億円以上とし、2018年4月に政府は緊急措置としてNTTによるブロッキングを実行。
サイトにアクセスできなくなったことで、今まで漫画村を利用していたユーザーは代わりに違法性の無い電子書籍販売サイトを利用するようになりました。
この問題はニュースでも大きく取り上げられ、海賊版サイトだけでなく電子書籍販売サイトの存在を知らなかった層にも広く認知されることに。
結果として電子書籍サイトを運営していた関連銘柄には投資家の資金が向かいました。
漫画村へアクセスができなくなってからの株価動向例
【3641】パピレス | 「Renta!」を運営 | 4月12日 安値 1,982円 ⇒ 5月8日 高値 2,245円 |
【3658】イーブック | 「eBookJapan」を運営 | 4月12日 安値 1,121円 ⇒ 4月19日 高値 1,355円 |
【4348】インフォコム | 「めちゃコミック」を運営 | 4月12日 安値 2,134円 ⇒ 7月2日 高値 3,080円 |
【4829】日本エンタープライズ | 「BOOKSMART」を運営 | 4月12日 安値 217円 ⇒5月8日 高値 249円 |
2.過去に上昇した電子書籍関連銘柄と、その上昇理由
過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。
2-1.3期ぶりの営業最高益更新見込みで株価5.5倍!
銘柄 | 安値 | 高値 | 倍率 |
【9467】アルファポリス | 2017年9月26日 安値 534円 | 2018年6月19日 高値 2,955円 | +2,421円(+453.37%) |
19年3月期の単独業績予想で、3期ぶりの営業最高益更新見込みが好感され急騰。
電子書籍も積極的に販売し、大幅増収増益を確保する見通しに期待した買いが集まりました。
2-2.18年3月期連結最終利益及び増益率上方修正で株価2.9倍!
銘柄 | 安値 | 高値 | 倍率 |
【3393】スターティアホールディングス | 2017年4月13日 安値 480円 | 2018年1月5日 高値 1,435円 | +955円(+198.95%) |
電子書籍マーケティング関連事業が損益改善。
従来予想されていた1億2,000万円の18年3月期連結最終利益は、3.7倍の4億1,500万円に上方修正。
増益率も22倍から83倍に拡大する見通しが材料視され、株価を押し上げました。
2-3.AIシステムの開発受託サービス開始で株価2.8倍!
銘柄 | 安値 | 高値 | 倍率 |
【2389】オプトホールディング | 2018年2月15日 安値 943円 | 2018年7月17日 高値 2,677円 | +1,676円(+177.73%) |
AIシステムの開発受託サービス開始が買い材料視され株価上昇。
その後も通期の最終損益が従来予想の6億円から14億円に大幅上方修正し、年初来高値を更新し続けています。
2-4.Netflixと共同制作決定で株価2.5倍!
銘柄 | 安値 | 高値 | 倍率 |
【3791】IGポート | 2017年12月27日 安値 1,710円 | 2018年3月5日 高値 4,435円 | +2,725円(+159.35%) |
Netflixの日本法人とアニメ作品における包括的業務提携契約を締結。
全世界190カ国向けに共同制作及び配信が決定したことが買い材料となり、株価を急騰させました。
3.主要の電子書籍関連銘柄
銘柄 | 備考 |
【2330】フォーサイド | 不動産関連事業やプライズ事業などを展開しており、電子書籍コンテンツ配信サービスが主体。 |
【3393】スターティアH | 電子書籍作成ソフトをはじめ、IT関連機器の販売とネット接続回線受付を手掛ける企業。経済産業省が推進するIT導入補助金の支援事業者として、子会社のスターティアラボが採択。 |
【3627】ネオス | インターネットに関わるシステム開発やアプリケーション開発及びクラウドの事業手掛ける企業。セールスフォース・ドットコムのコンサルティングパートナーに認定されている。 |
【3641】パピレス | 電子書籍の配信及びレンタルサイトを運営している同社。電子資本を展開しており、販売システムの開発も。 |
【3658】イーブック | 電子書籍販売サイト「eBookJapan」及びオンライン書店を運営する企業。2018年3月にヤフー株式会社と電子書籍事業における業務提携を行っている。 |
【3678】メディアドゥ | 電子書籍取次大手で、著作分のデジタル流通を営む企業。23年2月期売上高800億円を目指す中期経営計画を発表している。 |
【4348】インフォコム | 電子書籍最大手級企業で、電子コミックの「めちゃコミック」は業界第2位。情報システム構築及びネット配信も手掛けている。 |
【9467】アルファポリス | インターネット上に投稿された漫画や小説を書籍として出版している。19年3月期は2桁の刊行点数を計画する漫画を中心に販売が伸びているほか、電子書籍の成長も続いている。 |
【3663】アートスパークホールディングス | 電子書籍閲覧や3D動画向けのソフト開発を手掛けている企業。黒字転換した自動車向けUI/UX開発システムのほか、移動体向け車載情報伝達ソフトウェアも堅調。 |
【3981】ビーグリー | 電子コミックサービスの「まんが王国」を中核に、コンテンツプラットフォーム事業を展開。テレビコマーシャル実施やSEO強化を行い新規会員の獲得を狙っている。 |
4.おすすめの電子書籍関連銘柄
これから注目すべき電子書籍関連銘柄についてご紹介します。
4-1.【3678】メディアドゥ
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ネオス、カドカワ、ディー・エヌ・エー |
注目ポイント | 電子書籍取次大手。23年2月期売上高800億円目指す中期系営業計画を発表。 |
電子書籍取次大手企業で、著作分のデジタル流通を営んでいる同社。
2018年7月に、23年2月期売上高800億円、連結EBITDA(同17億7,000万円を目指す中期計画を発表しました。
新技術を取り入れた「市場拡大に役立つ新規サービス展開」に取り組んでいることも注目度が高い要因です。
4-2.【9467】アルファポリス
市場 | 東証マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | ネクシィーズグループ、IGポート、インプレス |
注目ポイント | 漫画の販売と電子書籍の成長に伸び。営業利益拡大にも期待。 |
インターネット上に投稿されている話題の小説や漫画を書籍化し、出版を行っている同社。
19年3月期は2桁の刊行点数を計画する漫画を中心に販売が伸びているほか、電子書籍の成長も続いています。
また経営利益が前期比58.5%増しに拡大する見込みも好材料となり注目されています。
4-3.【3627】ネオス
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | カドカワ、メディアシーク、フォーサイド |
注目ポイント | 9年2月期は営業損益の黒字化と成長性に期待。 |
電子書籍閲覧ソフトや、携帯電話向けのアプリ開発支援を手掛けている同社。
ここ最近では医学業界や金融業界向けでも需要があり、19年2月期は営業損益の黒字化が有望視されています。
他にも独自のマッチングAIやディープラーニング開発の成長性が期待されるなど、要注目銘柄のひとつです。
4-4.【3661】エムアップ
市場 | 東証一部 |
業種 | 情報・通信業 |
単位 | 100株 |
比較される銘柄 | カドカワ、ディー・エヌ・エー、アクセルマーク |
注目ポイント | ファンクラブや電子チケットを運営しているEMTG社を完全子会社化。 |
ファンクラブサイト運営を主軸に、各エンタメ系コンテンツや電子書籍を展開している同社。
同じくファンサイトクラブ運営を行い、電子チケット事業を展開しているEMTG社を完全子会社しました。
両社の得意分野を生かした総合発展と、新たな事業の柱になることが期待されています。
5.まとめ
漫画や雑誌、文庫本をデジタル化し、スマートフォンやタブレットなどのデジタル端末でも読めるようにした電子書籍。
漫画村問題をきっかけに、電子書籍サイトの存在を知った層が正規サイトを利用するになりました。
「iPad」が最初の火付け役になった際、【4348】インフォコムが僅か1ヶ月で株価2倍、長期で6倍以上の上昇を見せるなど、電子書籍関連銘柄は非常に高いポテンシャルを秘めています。
今後も大手出版社を中心に市場展開していくことが予想されますので、関連銘柄の動向には要注目です。
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