シェアサイクル関連銘柄!

2017年5月1日に「自転車活用推進法」が施行されたのはご存知でしょうか。

 

環境に優しく、災害時に機動的な移動を可能にする利点を踏まえ、自転車活用を推進することが法律として定められたのです。

 

今後政府によって自転車活用のための様々な施策が講じられることとなるでしょう。

 

その一例が、シェアサイクル施設の整備です。

 

街中でシェアサイクルを見掛ける機会は増えては来ていますが、今後更に浸透していくことが見込まれます。

 

今回は「自転車(シェアサイクル)」に関連する企業を取り上げ、株価動向やその背景について分かり易くご紹介したいと思います。

 

1.「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄に期待

「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄とは、自転車活用の拡大によって恩恵を享受する企業を指します。

 

1-1.「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄とは?

自転車(シェアサイクル)関連銘柄は大きく3つに分けることが出来ます。

 

1つはシェアサイクルなどのサービスを提供している企業群、2つ目は自転車を販売している企業群、3つ目が自転車そのものの部品等を製造・販売している企業群です。

 

いずれも自転車活用が推進されれば恩恵を享受する可能性が高いと言えるでしょう。

 

また、1つ目の企業群にはシェアサイクル事業者向けに技術提供している企業も含まれます。

 

例えば、シェアサイクルを利用するはユーザーのスマホからの登録・予約が必要ですから、そうしたアプリサービスを提供する企業がこれに該当します。

 

さらに、貸し出す自転車にはGPS機器と通信機能を搭載して位置情報の把握も可能であり、関連機器や通信ネットワークサービスを提供している企業もここに含まれるでしょう。

 

2つ目の企業群は、自転車専門ショップの運営を行う事業者の他、ホームセンターなども含まれるでしょう。

 

こうして考えると、自転車(シェアサイクル)関連銘柄の裾野は広いことが分かります。

 

投資対象を選別する上では、関連銘柄の中でも差別化したサービスや商品を提供しているか、といった観点が重要でしょう。

 

1-2.なぜ「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄は株価が上昇するのか?

「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄が株式市場で注目されている理由は、自転車活用推進法を背景とする市場拡大です。

 

自転車の市場規模自体は過去5年間において拡大傾向にあります。

 

自転車産業振興協会による「自転車生産動態・輸出入統計」によれば、2013年時点の販売金額は535億円程度でしたが、2018年では715億円にまで増加しており、平均成長率は6%程度となっています。

 

一方、販売数量は平均3%程度のペースで減少していますから、自転車の販売単価が上昇していると考えられます。

 

つまり、消費者が抱く自転車に対する価値観が、単純に「乗れれば良い」といった考え方から機能面や「楽しむこと」にシフトしてきたと言えるでしょう。

 

そして今後、自転車活用推進法に基づき自転車専用道路や路外駐車場、シェアサイクル施設によって自転車を利用しやすい環境が整備されれば、自転車人口は更に加速するかも知れません。

 

株式市場では、こうした文脈によって拡大の可能性がある自転車市場に対し期待が高まっており、関連銘柄の株価が上昇しやすい状況となっているのです。

 

2.「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄の推移

過去に上昇した関連銘柄と、その上昇理由を見ていきましょう。

 

2-1.提携リリースから株価が上昇

【8889】APAMANはシェアサイクル事業者との提携リリースによって注目された「自転車(シェアサイクル事業)」関連の銘柄の1つです。

 

同社は全国で賃貸物件の仲介を手掛ける「アパマンショップ」を運営する企業です。

 

賃貸物件を探したことがある方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 

一方で、同社が最近注力しているのがシェアリングエコノミー事業領域です。

 

その一例が、民泊です。

 

空き家を短期間で貸したい人と旅行者をマッチングするビジネスを展開しています。

 

そしてもう一つシェアリングビジネスで取り組んでいるのが、シェアサイクル事業です。

 

2018年3月8日にシェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」を展開するOpenStreet社との事業提携を公表しました。

 

その後同社の株価は1か月間で7割程度と大幅な上昇率を記録したのです。

 

株式市場から見てもシェアサイクル事業への期待感が高いことを示しています。

 

現在は札幌での爆発事故によって株価は調整していますが、今後同社の業績への貢献が顕在化すれば、改めて評価がされるタイミングが来るかもしれません。

 

引き続き注目してみても面白い銘柄かも知れません。

 

2-2.シェアサイクルビジネスを展開している企業として注目度が上昇

2つ目にご紹介したいのが、【4783】日本コンピュータ・ダイナミクスです。

 

同社は、システムインテグレーションを軸にシステム開発や保守・管理などを手掛ける企業です。

 

これまで培ってきたIT技術とコンサルティング力を活用する形で生まれたのが、パーキング事業です。

 

駐輪場の管理・運営を行う「Eco Statrion」やシェアサイクルの「ecoport」を展開しています。

 

また、最近では新しいライフスタイル提案型のサイクルショップ「STYLE-B」も拡大しており、自転車関連のビジネスの構成比が年々高まりつつあります。

 

主力のIT事業と共に、パーキングシステム事業も好調であり、昨年5月には中期経営計画を上方修正しています。

 

その際同社の株価はわずか1週間ほどで2割弱と大きく上昇しました。

 

今後自転車(シェアサイクル)関連ビジネスが盛り上がれば、更なる業績へのプラス影響が期待されます。

 

株式市場内では同社への注目は高い状況が続きそうです。

3.「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄

 

銘柄 備考
【3938】LINE スマホ向けSNSアプリ「LINE」を運営する企業。中国のmobike社と業務提携し、シェアサイクル事業に参画。
【4385】メルカリ フリマアプリ「メルカリ」を運営。その他、スマホ決済サービスなども手掛ける。昨年よりシェアサイクルサービス「メルチャリ」を展開。
【3778】さくらインターネット データセンターサービス事業を中心に様々な事業を展開。メルカリの「メルチャリ」向けにIoTプラットフォーム「sakura.io」を提供。
【6775】TBグループ デジタルサイネージやLED表示機の製造・販売を手掛ける。同社のタッチパネル型LEDiサイネージがシェアサイクル事業者に採用されている。
【4689】ヤフー 「Yahoo!Japan」を始め様々なインターネットサービスを運営・提供。昨年3月にシェアサイクル事業に新規参入している。
【9020】東日本旅客鉄道 JRグループにおいて関東エリアから東北エリアまでをカバーする鉄道事業者。シェアサイクル事業の実証実験を行う。
【9048】名古屋鉄道 中京エリアを地盤とする鉄道事業者。昨年春に公表した中期経営計画にてシェアサイクル事業などのシェアリングビジネスへの進出を掲げる。
【8132】シナネンホールディングス 北海道・東北・関東を中心にLPガスや灯油などのエネルギーをBtoB・BtoC双方において販売。新規にシェアサイクル事業に進出。
【3333】あさひ 「サイクルベースあさひ」のブランドで全国にて自転車ショップを展開。自転車活用推進によって販売が伸長する可能性がある。
【7309】シマノ 自転車用の部品やフィッシング用品を製造・販売する。自転車活用推進によって恩恵を享受する可能性がある。

 

4.おすすめ「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄

最後に、注目すべき「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄を紹介します。

 

4-1.【9437】NTTドコモ

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市場 東証一部
業種 情報・通信業
単位 100株
比較される銘柄 KDDI、SBG、NTT
企業概要 国内トップクラスの移動通信事業者で、カード事業など様々なサービスを提供しています。

「ドコモ・バイクシェア」としてシェアサイクル事業に新規参入しており、注目される可能性がある。

 

4-2.【4666】パーク24

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市場 東証一部
業種 不動産業
単位 100株
比較される銘柄 日本駐車場、パラカ、エリアリンク
企業概要 駐車場運営やカーシェア事業を手掛ける国内トップクラスの企業です。

「メルチャリ」と協業し自転車の貸出・返却用に場所提供を行っており、周辺銘柄として注目される可能性がある。

5.まとめ

電気自動車に登場によって、今後は環境負荷が小さい移動手段への注目が益々高まっていくことが想定されます。

 

そうした文脈では、自転車の活用推進は重要です。

 

2017年5月1日に施行された「自転車活用推進法」によって、その勢いは更に増していくことが見込まれます。

 

そして、自転車の活用が進む上でポイントとなるのがシェアサイクルビジネスの浸透です。

 

今はまだ新規参入フェーズであり、ビジネスモデルは成長過程と言えるかも知れません。

 

しかしながら、今後参入者が増え健全な競争が繰り広げられる中で、一層利便性が高まっていくでしょう。

 

将来の自転車活用推進を見据え、「自転車(シェアサイクル)」関連銘柄に投資をしてみると大きなリターンを獲得出来るかも知れません。