今回は、株式投資で最も重要だと言っても過言ではない損切り(ロスカット、LC)について説明していきます。
損切りは、株式投資で長期的に利益を上げるために最も重要な行為。
損切りの重要性に比べたら、銘柄選びやエントリー、テクニカル分析、利益確定などは取るに足りません。
どれだけ銘柄選びやエントリー、テクニカル分析に優れていようと、損切りに失敗したら全てを失ってしまうからです。
この記事を読んで損切りの重要性やリスク管理について学び・実践することで、貴方の株式投資に役立てていって欲しいと思います。
目次
株式投資では損切りの覚悟が必要
株式投資で継続的に利益を出すために最も重要な損切りについて説明していきます。
プロでも損切りする場面は来る
プロのトレーダーや投資家の勝率はどの位か知っていますか?
多くの初心者は、プロは100%の勝率で銘柄を選んでエントリーしていると思っていますが、これは大きな間違いです。
プロのトレーダーであっても、勝率は高くても40%あるかどうかという事実をまず認識しておいて欲しいと思います。
つまり、プロのトレーダーであっても、60%以上は損切りしています。
株価を動かしているのは不確定な人間心理です。「これから株価がどうなるのか?」は、分析では絶対に分かりません。
不確定要素を完全に取り除くことができない株式投資で勝率100%になることは絶対にあり得ません。
損切りは勝つための条件と言われることもある
貴方は、損切り=負け=恥ずかしいのように、損切りに対してマイナスのイメージを持っているかもしれません。
ここで、損切りに対する認識を改めておいて欲しいと思います。
例えば、ある銘柄を買ったのに下落したとします。このとき、-1%で早めに損切りしておくことは、その後の更なる下落から資金を守ることに繋がります。
最初の-1%の下落から、その後ダラダラと下落し続けて取り返しのつかない値まで下がってしまうことは少なくありません。
現に、【8358】スルガ銀行や【9307】杉村倉庫の株価を確認してみて下さい。
損切りとは、損失が小さい内に損失を確定して、大きな損失になる前に自分自身の資金を守る行為に他なりません。
大事なのは、損切りを駆使して、損は小さく・利益は大きくという損小利大のトレードを繰り返すことにあります。
たとえ勝率33%だったとしても、【-1%損切り、-1%損切り、+5%利食い】となればトータルではプラスになります。
貴方にとって大事なのは、目の前の損切りを見送って短期的な小さな勝利を掴むことでしょうか?それとも、目の前の損失を確定して長期的に株式投資で利益を上げ続けることでしょうか?
損切りできない人の心理とは?
損切りできない人の心理について説明していきたいと思います。
損切りできない人の特徴
損切りできない人の特徴を列挙してみます。
- 株式市場の恐さを知らない
これは初心者に多いです。
初心者は株式市場の恐さを知らないがために、損切りによって資金を守ることの重要性を理解できていません。
しかし、取り返しが付かなくなってからでは遅いです。
- 損切り=負け=恥ずかしいと思っている
損切りするのは負けを認めることで、恥ずかしいことだと思っている人は少なくありません。
損切りは決して負けではなく、トータルで利益を出すための勝つための手段です。
小さく損切りできたならそれは勝ちに等しいです。損切りに対する考え方を改めましょう。
- トータルで勝てればいいということを理解できない
株式市場にはいくらでも収益機会が転がっています。
しかし、トータルで勝てればいいということを理解している人が少ないがために、損切りを見送ってその機会を逃してしまいます。
- いつか株価は戻ると楽観視してしまう
多くの者が損切りを見送るときの心理状況は、「いつか株価が戻るはずだ」という楽観論に基づいています。
そうして、いつか必ず訪れる大暴落の前に逃げるチャンスを逃して、取り返しの付かない事態に陥ってしまいます。
- 株式投資は自分の正しさを証明するものだと思っている
株式投資を自分の正しさを証明するための行為だと思っていると、損切りをして負けを認めることができなくなります。
株式投資はあくまで理想のライフプランを送るための手段です。
自己実現や承認の場では決してありません。
損切りできないと塩漬け株になることも
損切りしないことによる最大のデメリットは、損切りせずに更に株価が逆行した場合は、資金が動かせなくなり、塩漬けにしてしまうことです。
「投資家は投機家のなれの果て」という相場格言がありますが、これは損切りを見送ったトレーダーが、その銘柄を塩漬けにしてしまうことを意味します。
塩漬け株を作ってしまうと、収益チャンスがある銘柄を発見しても資金が動かせなくなり、チャンスに乗ることができなくなってしまいます。
この機会損失こそが、損切りを見送る最大のデメリットです。
例えば、損切りを見送った銘柄の値が戻り、何とか買い値でトントンで決済できたとしましょう。
ですが、-1~-2%で早めに損切りしておけば、他の銘柄で更に大きな利益を得られたケースは少なくありません。
損切りを制して株式投資を制す
具体的な損切りのルールについて説明していきます。
損切りの目安とは
損切りの目安は、リスク管理から考えることが重要。
損切りとは、リスク管理を実現するための手段だと言えます。
株式投資におけるリスク管理のルールとしては、「1回のトレードで総資金に与えるリスクは総資金の2%を上限とする」という有名なルールがあります。
総資金の2%ルールは、世界中のトレーダーに影響を与えたトレード本「投資苑」を始め、多くの有名トレーダーが推奨していることで知られるリスク管理の絶対的なルールです。
損切りの目安は、このリスク管理のルールから逆算して設定することを推奨します。
例えば、総資金が300万円だとすると、総資金の2%は6万円になります。
このとき、ある銘柄を100万円分買ったとすると、損切り幅は最大で-6%まで取って良いことになります。
しかし、総資金の2%というのはあくまでリスク管理の“上限のルール”です。
現実的には2%はややリスクの取り過ぎであり、総資金の0.5~1%前後のリスク管理で運用することをおすすめします。
また、短期投資の場合は総資金の2%を上限とすることがリスク管理の基本となりますが、中長期的な投資の場合は総資金の6%を上限とすることを推奨します。
損切りはマイルールで決める
リスク管理から逆算して損切りのマイルールを決めたら、そのルールでしばらく運用してみましょう。
目安としては、20回以上のトレードを試行したら、再度見直してみることをおすすめします。
ただし、この20回のトレードでは何としてでも絶対に損切りのルールを厳守することです。
ルールを厳格に執行するためにも、銘柄にエントリーしたら逆指値注文かOCO注文を出しておき、できるだけ値動きは見ないようにすることをおすすめします。
貴方が20回のトレードで損切りルールを厳守することができれば、株式投資で長期的に利益を上げ続けるために必要な、マイルールを守るための規律が身に付き始めていることでしょう。
まとめ
損切りは株式投資で継続的に利益を上げ続けるためには必要不可欠な行為。
プロのトレーダーであっても60%以上は損切りになりますし、株式投資で勝率100%になることは絶対にあり得ません。
このことから、トータルで利益を上げるには損小利大のトレードを繰り返すことが重要であることがわかります。
損切りのマイルールを作り、それに従って株式投資を行えば明日からの成績はきっと上がります。
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