REITの種類とその特徴について解説します

REITと一口に言っても、オフィスビルや一般的な住宅、ホテルや商業施設など様々な不動産を証券化していることはご存知でしょうか?

 

不動産を証券化した金融商品であるREIT(不動産投資信託)は、少額から不動産の投資に参加できる点や分散投資が可能な点などから個人投資家に親しまれている金融商品です。

 

今回この記事では、REITの代表的な種類(商品)とそれぞれの特徴について解説していきたます。

オフィス型REIT

オフィス型のREITはオフィスビルへの投資へ特化した商品です。

代表的な銘柄
  • 【8951】日本ビルファンド投資法人
  • 【8952】ジャパンリアルエステイト投資法人

 

オフィスビルへ特化したファンドだけあって、経済の動きに左右されやすく景気変動の影響を非常に受けやすい商品と言えるでしょう。

 

安定性は低めですがその分大きな収益が望めます。

REITは金融商品の中でも比較的安定した商品となっていますが、その中でもリスクを取りたい方におすすめの商品となっています。

 

住宅型REIT

住宅型のREITは最もシンプルで、私達が不動産を借りるとなると大家さんの所有する部屋があり、それを不動産屋を仲介して借りますよね。

 

その不動産の部分が証券になったものとイメージすればわかりやすいと思います。

代表的な銘柄
  • 【3269】アドバンス・レジデンス
  • 【3226】日本アコモデーション投資法人

 

住宅系の不動産は一般的な現物の不動産と同様に景気に左右されにくく、安定性が高いのですが収益が低めです。

 

住宅系の不動産は日本のバブルが終焉を迎えてから随分と価値が下がりましたが、最近では安定して横ばいと言ったところでしょうか。

将来の見通しとしては人口減のこの日本では、都市部やアクセス良好な不動産の価値は下がりにくい傾向にありますので、比較的見通しは暗いと言えるでしょう。

 

ホテル型REIT

ホテル型のREITはその名の通りホテルなどに投資するREITのため、ホテルの経営状況に非常に左右される金融商品ですね。

代表的な銘柄
  • 【8985】ジャパンホテルリート投資法人
  • 【3287】星野リゾート投資法人

 

海外から見て魅力があるとされる観光エリアの京都など地域のホテルは価値が非常に高いとされています。

 

そこまで人気の無いエリアのホテルはリゾートホテルなどがやや廃れて価値が下がり気味です。

温泉なども出ていて広々とした不動産でも人が集まらなければ価値が下がってしまいますので、ホテル型のREITは収益にバラツキが出やすい商品となっています。

 

商業施設型REIT

商業施設REITは、皆さんが普段利用するデパートやスーパーマーケット、大型ショッピングモールなどの施設に投資する商品です。

代表的な銘柄
  • 【8953】日本リテールファンド投資法人
  • 【3292】イオンリート投資法人

 

商業施設の不動産など人が集まるエリアの経営状況は比較的安定しています

 

ですが、ニュースなどを見るとショッピング施設のお店のシャッターが閉まったままの田舎のお店などが特集されていたりもするご時世です。

 

特に昨今ではデフレ化が進んで物価が下がり、物を売るという行為による収益がひと昔前よりやや弱い傾向にあります。

その他にもZOZOTOWNやAmazonを中心としたECサイトの成長により店舗が必要無い時代が訪れつつあります。

 

商業施設型REITは、人が集まるエリアの不動産が含まれているか否かと言う点が非常に重要でしょう。

特に郊外タイプの大きな車やバスで訪れるようなショッピング施設は要注目です。

 

物流型REIT

物流系は物流の拠点となる施設を中心として投資するREITです。

代表的な銘柄
  • 【3281】GLP投資法人
  • 【3283】日本プロロジスリート投資法人

 

テナントの入れ替わりが少なく中長期の投資に向いているという点です。

テナントがそもそも少ないので分散効果が弱い点や、安定している傾向にありますが、貸し借りのバランスが崩れると大きな打撃が受けやすい商品と言えます。

 

倉庫などの不動産は一度埋まったら非常に長い期間使われますが、退去されてしまうとなかなか埋まらないので、仕方が無い部分はあります。

 

しかしながら、今後はECサイトの運営などにより各地に直ぐに荷物を運べるような倉庫が求められる時代が訪れつつあるので、狙い目の商品とも言えるかもしれません。

そういった傾向などから注目しておいて損はないでしょう。

 

ヘルスケア型REIT

病院や介護施設などの有料老人ホームなどの高齢者施設に投資するヘルスケア型のREITは、65歳以上の人口が1/4となったこの日本国では非常に重要視される金融商品です。

代表的な銘柄
  • 【3455】ヘルスケア&メディカル投資法人
  • 【3308】日本ヘルスケア投資法人

 

配当が高めで長期の賃貸契約となっているのが、このヘルスケア型のREITの特徴です。

 

問題点は介護保険の適用制度の関係などにより、収入が大幅に減るケースが見受けられる点です。

 

しかし今後、少子高齢化が進むこの日本では最も大きなテーマとも言える介護問題ですので、需要は減る事が無い分野でしょう。

ヘルスケア型は注目しておいて損が無い金融商品だと言えます。

 

まとめ

REIT(不動産投資信託)の代表的な種類・銘柄とその特徴についてお伝えしてきました。

 

私達が生活を送る上で土地や建物である不動産は非常に重要なテーマになってきます。

不動産は比較的安定した商品ですが、今後の日本では人口が減りますし、労働人口も減っていきます。

 

必要な不動産の数も減っていくでしょうし、価値がある不動産と価値が低い不動産の格差が広がっていくでしょう

 

そして、何よりも次世代を担う若者の価値観も少しずつ今の社会を運営する大人たちと比較すると異なる点が多いです。

 

今後の産業の推移が不動産の動きや使い方を考えるヒントになるのではないでしょうか。