銀行株関連銘柄はAI時代に最適!創造が問われている!

 金融関連セクターの雄である銀行株に注目します!

フィンテック、AI、マイナス金利など、銀行業界がかつてないほどの大きな変化に晒されています

長期投資に適したディフェンシブ銘柄の代表格である銀行株ですが、今後は難しい舵取りを迫られそうです。

銀行には、この大きな逆風を大きなチャンスに変えて、社会に新たな価値を創造できるかどうかの真価が問われています

金融関連銘柄に注目していきましょう!

 

1.金融関連銘柄の中でも銀行セクターに注目!

 

今回は、日銀の政策でも大きな注目を集める金融関連銘柄に注目していきます。

1-1.金融(銀行・地方銀行)関連銘柄とは?

社会で経済活動を行う際には資金が不足する者と資金が余る者が生じますが、金融業者が両者を結び付けることによって円滑な経済活動が可能となります。

金融セクターや金融関連銘柄というと、銀行・証券会社・保険会社・投資銀行・貸金業者などが挙がってきますが、今回は銀行セクターを中心に見ていきます。

 

銀行とは、預金の受け入れや資金の貸し出し(融資)を行う金融機関のことです。

三菱UFJ・みずほ・三井住友の3大メガバンクから、全国に営業基盤を持つ都市銀行、ある地方にのみ営業基盤を持つ地方銀行、信託業務を主に行う信託銀行などがあります。

 

また、融資はせず、コンビニ内に設置したATMの手数料収入で業績を上げているセブン銀行のような特殊な銀行もあります。

 

金融関連銘柄(銀行株)の特徴としては、値動きが小さいディフェンシブ銘柄であることが第一に挙げられます。

 

そのため、金融関連銘柄は長期投資に適しているテーマ株であり、内外を問わず多くの投資家が長期投資目的で保有していることで知られます。

1-2.銀行はかつてないほど大きな変化に晒されている

 現在、銀行はかつてないほど大きな変化に晒されています。そのキーワードは「フィンテック」「AI(人工知能)」「マイナス金利」の3つに集約されます。

 

金融(ファイナンス)と技術(テクロノジー)が融合した「フィンテック」が、旧態依然とした銀行に変化を迫っています。

 

中国のアリババの「Alipay」やテンセントの「WeChatPay」が世界的に注目されており、日本でも家計簿アプリを手掛けるマネーフォワードが2017年に新規上場するなどしています。

 

多くの人々に新たな価値を提供する新興フィンテック企業の台頭は、既存の銀行の存在価値に疑問符を投げかけるものでもあり、社会における銀行の存在意義が問われています。

 

また、マーケットにおいて最重要テーマの一つとなっているAIも、銀行に大きな変化をもたらすことが確実です。

 

2017年11月に、メガバンク3社が大量の人員削減を行う計画を発表したニュースが大々的に報じられたことは、まだ記憶に新しいかと思います。

 

融資審査など銀行業務の多くはAIで代替可能であり、世界的コンサルタントの大前研一氏によると、「AIがあれば、銀行は日本に1社あれば十分で、行員も数人いれば十分」とまで言われています。

 

そして、日銀が2016年2月から実施し始めたマイナス金利政策によって、地方銀行の収益は大幅に悪化しています。

フィンテックやAI、マイナス金利などの逆風が吹く中、銀行には時代の変化に適応して新たな価値を創造することが迫られています。

2.銀行関連銘柄の推移

 

 金融(銀行・地方銀行)関連銘柄の動向を見ていきましょう。

2-1.福岡の地方銀行持ち株会社ふくおかフィナンシャルグループ

  福岡の地方銀行3行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)の持ち株会社である【8354】ふくおかフィナンシャルグループは、地方銀行の中でもトップクラスの資産を誇ります。

 

同社の株価は、2017年9月には安値461円を付けていましたが、2017年10月から上昇していき、2018年1月には694円の高値まで上昇しました。

 

この1年で最大+1.44倍の上昇となり、2018年7月現在は640円前後で推移しています。

同社には、特に何か材料やニュースがあったというわけではありませんが、金融関連銘柄の中でも大きく上昇しています。

 

2-2.日本最大の預金機関ゆうちょ銀行

全国の郵便局を代理店とする日本最大の預金金融機関【7182】ゆうちょ銀行は、メガバンクと並び金融関連銘柄を代表する銘柄です。

 

同社の株価は、2017年7月には1,418円を付けていましたが、この1年は横ばい~下落となっており、2018年7月現在は1,350円前後と、1年前に比べてやや値を下げています

同社に限らず、【8306】三菱UFJ【8316】三井住友【8411】みずほのメガバンク3行も、この1年でほぼ横ばいとなっており、銀行株は厳しい値動きが続いています。

 

マネーフォワードを始めとするフィンテック関連銘柄には大きな資金が流入してきていることに比べると、いくらディフェンシブセクターと言えども、残念な値動きであると言わざるを得ません。

 

2-3.ATM手数料を核とする異色の銀行:セブン銀行

異色の銀行として注目されるのが、セブンイレブン店舗内に置いたATMからの手数料収入を柱としている【8410】セブン銀行です。

 

同社は、融資は行わず、提携した金融機関からの手数料によって収益を上げるという、銀行としては異例のユニークなビジネスモデルが知られています。

 

セブンイレブンが行う事業の中では最も利益率が高い事業の一つとなっており、銀行の中でも群を抜いて高い高収益体質を実現しています。

 

セブンイレブンが実質的に24時間利用可能な銀行の支店になるという国民生活に寄り添ったビジネスモデルであるため、AIにも淘汰されない可能性が高いです。

ただ、同社の株価は残念ながら奮っておらず、この1年で452円から350円前後まで値を下げています。

銀行業の中でも画期的なビジネスモデルとして注目を集める同社にも資金が入ってきていないということは、投資家の銀行株離れはやや深刻かもしれません。

3.主要銀行関連銘柄チェックリスト

銀行関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。

銘柄 株価 主なサービス
 【7182】ゆうちょ銀行 1,345円  日本最大の預金金融機関
 【7186】コンコルディア・フィナンシャルグループ 615円  地方銀行(横浜銀行と東日本銀行が統合)
 【7321】関西みらいフィナンシャルグループ 923円  りそなHDの金融持ち株会社。傘下に関西アーバン銀行、みなと銀行、近畿大阪銀行。
 【7322】三十三フィナンシャルグループ 2,139円  地方銀行(三重銀行と第三銀行が統合)
 【8303】新生銀行 1,827円  旧日本長期信用銀行、ネット銀行に強み
 【8304】あおぞら銀行 4,295円  旧日本債券信用銀行、高配当株
 【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ 692円  メガバンク
 【8308】りそなホールディングス 656円  都市銀行
 【8309】三井住友トラスト・ホールディングス 4,617円  大手信託銀行
 【8316】三井住友フィナンシャルグループ 4,500円  メガバンク
 【8354】ふくおかフィナンシャルグループ 629円  福岡の地方銀行3行(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)の持ち株会社
 【8369】京都銀行 5,460円  地方銀行
 【8410】セブン銀行(低位株★) 340円  コンビニATM事業最大手
 【8411】みずほフィナンシャルグループ(低位株★) 197円  メガバンク
 【8524】北洋銀行(低位株★) 406円  地方銀行

※株価は2018年7月27日終値で算出

4.銀行関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!

 

過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かった銀行関連より上位3銘柄を発表致します。

※2017年7月27日~2018年7月27日の1年で算出

4-1.第1位【8508】Jトラスト

チャート画像
上昇率 1.63倍(安値:616円 → 高値:1,006円)
市場  東証二部
RSI  78.52(買われ過ぎ)

4-2.第2位【8558】東和銀行

チャート画像
上昇率 1.57倍(安値:1,050円 → 高値:1,654円)
市場  東証一部
RSI  76.35(買われ過ぎ)

4-3.第3位【8354】ふくおかフィナンシャルグループ

チャート画像
上昇率 1.44倍(安値:461円 → 高値:694円)
市場  東証一部
RSI  91.17(かなり買われ過ぎ)

※RSIは2018年7月27日終値より算出

5.まとめ

フィンテックやAI、日銀のマイナス金利政策といった逆風が吹いている銀行株は、この1年の日経平均上昇の波に乗れずにいます

 

銀行には、フィンテックやAIのような新しい技術を積極的に導入し、旧態依然とした企業体質を抜け出す改革が求められています

 

ただ、メガバンクがフィンテックやAIを積極的に導入し、人員削減などの痛みを伴う改革を発表していることから、銀行が21世紀にも価値を創造できる組織へと生まれ変わることが期待されます。

銀行の事業再編やフィンテック・AIへの取り組み、日銀の金融政策などといったニュースはチェックしておきましょう。