ライドシェアやカーシェアリングの発展によって、自動車は「所有するもの」から「シェアするもの」へとライフスタイルが変わりつつあります。
若者を中心に車にお金を掛けないライフスタイルが浸透する中で、新車よりも価格が安く、納車早いことが魅力的な中古車市場は堅調に拡大し、中古車関連銘柄は
【3186】ネクステージが+58%!【3184】ICDAは+57%!
このような動きが見られます。
今回は、そんな中古車関連銘柄に注目してみましょう!
目次
1.中古車関連銘柄に期待
ライドシェアやカーシェアリングとともに注目される中古車に関連した銘柄に注目していきます。
1-1.中古車関連銘柄とは?
中古車のメリットとしては、新車よりも価格が安く、納車が早いことが挙げられます。
また、中古車市場では、生産が終了した車や過去のモデルの車の取引が行われており、少なくない自動車愛好家にとっても魅力的な市場となっています。
一方、中古車のデメリットとしては、新車と比べるとコンディションにバラツキがあることや、販売店によっては十分なアフターサービスを受けられないことなどが挙げられます。
今回注目する中古車関連銘柄は、中古車の買い取りや販売、中古車の海外への輸出などを手掛ける銘柄が中心になってきます。
中古車事業には、中古車ディーラーや中古車オークションの運営を行うBtoB型、中古車を消費者に販売するBtoC型、中古車を売りたい個人が中古車販売業者に直接買い取ってもらうCtoB型など様々なビジネスモデルがあります。
また、近年は、ヤフオクなどで自動車の個人間取引(CtoC)も活発化しており、中古車市場での競争は激化しています。
1-2.中古車市場の規模は?
中古車情報メディア「カーセンサー」によると、2017年の国内中古車小売市場規模は、台数ベースで前年比+3.3%増の250万台、金額ベースで前年比+6.6%増の3兆275億円と推計しています。
2017年の新車販売台数は519万台となっていることから、中古車の取引台数は新車の約半分に達していることが分かります。
公共交通機関が発達している都市部では車が必要なくなっており、また若者を中心に車離れが進んでいるなどのニュースがよく聞かれますが、自動車市場は新車・中古車ともに拡大しています。
ソフトバンクとトヨタがライドシェアの新会社を設立し、「タイムズカープラス」を始めとしたカーシェアリングサービスも続々と登場していることから、今後、自動車を巡る競争は激化していくものと思われます。
特に、ライドシェアやカーシェアリングの発展によって、自動車は「保有するもの」から「シェアするもの」へと変わりつつあり、都市部を中心にこの傾向は今後急速に進むものと見られます。
ライドシェアやカーシェアリングの発展とともに、中古車市場や中古車販売を巡る新しいビジネスモデルの登場といったニュースにはアンテナを張っておきましょう。
2.中古車関連銘柄の推移
中古車関連銘柄の動向を見ていきましょう。
2-1.中古車販売店大手「ガリバー」を運営するIDOM
中古車販売店最大手の「ガリバー」を運営する【7599】IDOMは、中古車関連銘柄を代表する銘柄です。
同社は、2018年11月現在、中古車買い取り台数・中古車販売台数ともに業界トップとなっています。
また、カーシェアリングサービス「Gullliverカーシェアメイト」を手掛けるなど、カーシェアリング関連銘柄としても注目されます。
同社の株価は、2017年11月には836円を付けていましたが、この1年は大きく下落しており、2018年10月には293円まで下落し、2018年11月現在は400円手前で推移しています。
同社は中古車関連銘柄を代表する銘柄ですが、この1年で大暴落となっています。
2-2.中古車販売店「ネクステージ」を全国展開するネクステージ
中古車販売大手の【3186】ネクステージも、中古車関連銘柄を代表する銘柄です。
同社は、中古車販売店「ネクステージ」を全国展開しており、輸入車専門店「AUTO STAGE」も展開しています。
同社の株価は、2017年11月初めには857円を付けていましたが、上昇していき、2018年6月には1,356円まで上昇しました。
この期間に最大+58%の上昇になりましたが、その後は下落し、一時は668円まで下落しましたが、2018年11月現在は1,100円前後まで値を戻しています。
2-3.三重県を地盤とするホンダ系ディーラーの【3184】ICDA
三重県を地盤とするホンダ系ディーラーの【3184】ICDAは、中古車買い取り・販売も手掛けていることから中古車関連銘柄として挙げられます。
同社の株価は、2017年11月には1,557円を付けていましたが、この1年上昇しており、2018年9月には2,450円まで上昇しました。
この1年で最大+57%の上昇となっており、2018年11月現在は2,000円前後で推移しています。
中古車関連銘柄としては、ネクステージとICDAが大きく上昇していますが、この2銘柄以外は大暴落したIDOMを始め、多くの銘柄が下落~横ばいとなっています。
マーケットではライドシェアが大きな注目を集めていますが、中古車関連銘柄はライドシェアほど投資家の注目を集めるには至っていないようです。
3.主要中古車関連銘柄チェックリスト
中古車関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【2788】アップル(低位株★) | 327円 | 中古車買取り専門店「アップル」 |
【3184】ICDAホールディングス | 1,987円 | 中古車買い取り・販売 |
【3186】ネクステージ | 1,046円 | 中古車販売店「ネクステージ」 |
【3347】トラスト(低位株★) | 251円 | 海外向け中古車輸出 |
【3825】リミックスポイント | 816円 | 中古車売買 |
【3964】オークネット | 1,164円 | ネットオークション運営 |
【4298】プロトコーポレーション | 1,508円 | 中古車情報誌「グー」 |
【4689】ヤフー(低位株★) | 328円 | ネットオークション「ヤフオク」 |
【4732】ユー・エス・エス | 2,020円 | 中古車オークション運営、中古車買い取り店「ラビット」 |
【7593】VTホールディングス(低位株★) | 473円 | 中古車輸出 |
【7599】IDOM(低位株★) | 383円 | 中古車買取り専門店「ガリバー」 |
【7602】カーチスホールディングス(低位株★) | 209円 | 中古車買い取り大手 |
【9268】オプティマスグループ | 1,761円 | 海外カーディーラー向け中古車輸出 |
【9312】ケイヒン | 1,457円 | 中古車輸出 |
【9856】ケーユーホールディングス | 916円 | 輸入車の中古販売大手 |
※株価は2018年11月5日終値で算出
4.中古車関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かった中古車関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年11月6日~2018年11月6日の1年で算出
4-1.第1位【3825】リミックスポイント
上昇率 | 3.08倍(安値:598円 → 高値:1,843円) |
市場 | 東証二部 |
RSI | 40.81(やや売られている) |
4-2.第2位【3047】TRUCK-ONE
上昇率 | 1.77倍(安値:229円 → 高値:406円) |
市場 | 福証Q-Board |
RSI | 64.47(やや買われている) |
4-3.第3位【3186】ネクステージ
上昇率 | 1.73倍(安値:783円 → 高値:1,356円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 70.19(やや買われている) |
※RSIは2018年11月6日終値より算出
5.まとめ
首都圏や若者を中心に、車にお金を掛けないライフスタイルや価値観が広まる中で、中古車市場は堅調に拡大しています。
しかし、中古車最大手の「ガリバー」を運営するIDOMがこの1年で半値以下まで暴落するなど、中古車関連銘柄はライドシェアのように投資家の関心を集めるには至っていないというのが現状です。
とはいえ、地方では車は依然として移動の基本であり、中古車市場は今後も長らく堅調に推移していくものと思われます。
中古車に関するニュースや、中古車関連銘柄の動向は今後もチェックしておきたいところです。
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