「つみたてNISA」という言葉を聞いたことはあるけど、よくわからないという方や現行のNISAとの違いがわからないという方は多いでしょう。
つみたてNISAは少額からの積立投資を目的に作られた制度であり、発生した利益が非課税になるというものです。
今回は、つみたてNISAの特徴や既存のNISAとの違い、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
つみたてNISAって何?
つみたてNISAは毎年40万円の新規投資額で得た利益が最長20年間に渡って非課税となる制度です。
2018年1月から始まったつみたてNISAは少額から投資をスタートさせたい初心者に利用しやすい制度だと、大きな注目を集めています。
つみたてNISAの投資対象は金融庁によって厳選された投資信託とETF(上場投資信託)計148本です。
個別株式や上場REITなどの投資はつみたてNISAではできず、現行のNISAとつみたてNISAを併用することもできません。
つみたてNISAを始めるためには、ネット証券や普通の証券会社、銀行などに申し込むことで、日本に住む20歳以上の方なら誰でも口座を開設できます。
初心者の方はネット証券でつみたてNISA口座を開設することをおすすめします。
SBI証券や楽天証券などのネット証券では、148本の対象商品のうち、120本以上を取り揃えているため、選択肢が広がります。
口座開設についても、画面に表示されるステップに従えば、簡単に開設できるでしょう。
現行のNISAとの違いは?
つみたてNISAは2014年1月からスタートした個人投資家向けの非課税制度、NISAと異なる点がいくつかあります。
まず、非課税になる新規投資額が異なります。
つみたてNISAの場合、毎年40万円までの投資で得た利益が非課税になりますが、 NISAは毎年120万円が上限です。
また、非課税になる期間にも違いがあります。
つみたてNISAの非課税期間は最長20年ですが、現行のNISAの非課税期間は最長でも5年です。
さらに、投資できる金融商品についても違いがあります。
つみたてNISAは選抜された投資信託とETF計148本が投資の対象ですが、NISAの対象商品は上場株式、投資信託、上場REIT、ETFなどさまざまです。
上記の違いから、つみたてNISAの方が、現行のNISAよりも、少額からコツコツと長期間に渡って投資しようと考えている方に向いている制度であるということがわかります。
つみたてNISAのメリット・デメリット
つみたてNISAで投資を始める前に、つみたてNISAのメリット・デメリットをしっかりと把握しておくことが大切です。
メリット
つみたてNISAのメリットとして、主に以下の3点が挙げられます。
・投資で得た利益が非課税になる
・いつでも売却できる
・長期積立・分散投資に適した商品が厳選されている
通常、投資で得た利益の20.315%が税金として徴収されますが、つみたてNISAを利用すれば、税金は一切かからず、利益は全て自分のものになります。
つみたてNISAの商品の売却タイミングについては、iDeCoやジュニアNISAなどのように、年齢などの条件を満たさないと売却できないということはなく、自分の好きなタイミングで売却できます。
また、つみたてNISAの対象商品は手数料が安く、長期間の積立で効果を発揮する可能性の高いものが選抜されているため、投資の知識が乏しい方でも簡単に購入できるでしょう。
さらに、日本だけでなく世界各国に分散投資できるため、価格変動のリスクを抑えることができます。
デメリット
つみたてNISAのデメリットとして、以下の3点が挙げられます。
・元本割れするリスクがある
・損益通算ができない
・繰越控除ができない
投資信託やETFなどの金融商品は、元本保証がないため、運用中の価格が購入した値段よりも下がってしまい、損失を生む可能性があります。
2つ目に出てきた損益通算とは、利益と損失を合算して税負担を軽くするという制度です。
例えば、口座Aで20万円の利益、口座Bで10万円の損失が出た場合、これらを合算したプラス10万円が課税対象になります。
つみたてNISAは損益通算ができないため、複数の口座で投資をしている方にとってデメリットになります。
3つ目の繰越控除とは、損失を出した年の翌年以降、損失を最長3年間繰り越し、利益と相殺させられるという制度です。
つみたてNISAでは繰越控除が利用できません。
まとめ
つみたてNISAは少額からの長期間に渡る資産運用に適した非課税制度であり、投資初心者におすすめの制度です。
分散投資ができるなどのメリットがある一方で、元本割れのリスクや損益通算・繰越控除ができないなどのデメリットも存在します。
また、現行のNISAとつみたてNISAでは、非課税枠や非課税になる期間、対象となる金融商品などに違いがあります。
つみたてNISAの特徴をしっかりと理解して、慎重に検討した上で、投資生活をスタートさせるべきでしょう。
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