相場には古くから伝わる『格言』があります。
株式投資をしていると判断に迷ったり誤ったりする場面がいくつも訪れますが、先人達はいかにして相場を生き抜いてきたのでしょうか。
今回ご紹介するのは、投資の神髄を的確に言い当てた相場格言9選。
人間の相場に対する行動心理が短い言葉で表現された相場格言を紐解き、今後の株式投資に役立てていきましょう。
目次
投資の心得・相場の法則
株初心者など、これから投資を始める方に心得てほしい考え方や相場の法則にまつわる格言をご紹介します。
格言:当たり屋につけ
当たり屋とは、株式投資で連戦連勝しているような人。
実力だけでなくたとえマグレでも、その人が買えば株価は上がり、売れば下がるようなノリに乗っている人がいるとしましょう。
自分であれこれ悩み下手に手を出すよりも、いっそのこと当たり屋について(便乗して)同じ売買をしたほうが良いという考え方・格言が『当たり屋につけ』です。
格言:相場は相場に聞け
理屈の通らない動きをすることから、相場は生きものだと言われたりします。
株価の正確な予測を立てることは困難であり、自分の思い通りには動かず、むしろ考えが外れることは多いものです。
相場の行き先は相場だけが知っていることから、己の判断に固執せず柔軟に対応すべきという考え方・格言が『相場は相場に聞け』です。
格言:人の行く裏に道あり花の山
投資家は群集心理で動きがちですが、他人と同じ行動を取っていては大きな成功は得られません。
綺麗な花を求めて山に行くのなら人混みを避け、誰も行かないような裏山に行くとよいのです。
株式投資においては市場が沸いている時に売り、閑散相場で買い向かう。
つまり逆転の発想で、大勢と同じ投資行動を取るのではなく反対のことをすればうまくいくことが多いという考え方・格言が『人の行く裏に道あり花の山』です。
売買のコツ・タイミング
売買の判断に迷ったときはもちろん、自信のある局面でも思い込みを解消し冷静になるための格言があります。
格言:もうはまだなり、まだはもうなり
投資判断には、無意識に自身の希望的な要素が織り込まれているものです。
「”もう”下がらないだろうと思っていると、”まだ”下がる。」
「”まだ”上がるだろうと思っていると、”もう”天井だった。」
誰しもこのような経験はお持ちでしょう。
慎重すぎたり期待しすぎたりの思い込みが、取り返しのつかない結果を招いてしまうこともあります。
相場は生きものですから、自分の予測通りにはいかないよという考え方・格言が『もうはまだなり、まだはもうなり』です。
格言:閑散に売りなし
閑散相場とは、多くの銘柄が売り尽くされ商いがほとんどない状態のこと。
上にも下にも動かず横這いになると嫌気がさして売ってしまいたくなりますが、こうした相場状況ではわずかな材料で急反発することも少なくありません。
つまり、多くの投資家が売っている時期こそそこで売るのはやめて、反対に安く仕込んでチャンスに備えようという考え方・格言が『閑散に売りなし』です。
格言:頭と尻尾はくれてやれ
天井(頭)や底(尻尾)に拘るとかえって売買のタイミングを逃してしまい、儲け損ねたり損失が広がったりするのはよくあること。
投資家心理としてはより安値で買って高値で売りたいものですが、そんな完璧な売買を毎回実現するのはほぼ不可能でしょう。
頭と尻尾は必要コストと捉え、利幅よりも勝率を高めつつ、ゆとりある投資を心がけようという考え方・格言が『頭と尻尾はくれてやれ』です。
相場を生き抜く・勝ち続けるために
相場で長く勝ち続けるためには己の感情は捨て、投資のセオリー通りに忠実に売買を行う必要があります。
格言:卵は一つのカゴに盛るな
複数の商品や地域などに「分散投資」するのは、資産運用の基本。
卵(お金)をひとつのカゴ(商品)に盛る(投資)ことで、万が一カゴを落としてしまった場合、その中の卵は全て割れてしまうことがイメージできます。
しかし、卵を複数のカゴに分けておけば、ひとつのカゴを落としてしまってもその他の卵は影響を受けません。
安定的な成果を得るため、リスクを軽減させるためには分散投資をすべきという考え方・格言が『卵は一つのカゴに盛るな』です。
格言:利食い千人力
保有株が購入時より上がっていても、売らない限り利益にはなりません。
含み益の状態は「予想が当たった」と浮かれたり、「まだ上がりそう」という欲に駆られ、結局下がってしまい利益を取り損ねたということがよくあります。
利益を伸ばすことも大切ですが、利益を確定させることがいかに重要か。
利益確定による安心感や心の余裕は、千人の味方にも匹敵するほどの価値があるという考え方・格言が『利食い千人力』です。
格言:休むも相場
売買を見送る、つまり「休む」ことも投資行動のひとつ。
まだ上がるのか、ここで買うべきか、のように、判断に迷うような相場でわざわざ売買を行う必要があるだろうか?何もしないという手もあるはず。
自信がなかったり先行き不透明の状況では、冷静さを保つために一歩退いて相場動向を見極めよう、という考え方・格言が『休むも相場』です。
客観的な余裕を持ち心身のコンディションを整え、次の機会に備えましょう。
まとめ
株式投資をしていると売買の判断やタイミングに迷ったり、自信がなかったり、背中を押して欲しい場面が何度も訪れます。
そんな時に役立つのが『相場格言』です。
ご紹介した9つは「なるほど!」と思えるものや「自分の弱さを突かれた」ような耳の痛い格言ばかりだったかと思います。
この先株式投資で大きな壁にぶつかった時は、先人達の教えである格言を思い出し相場を生き抜いていきましょう。
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