投資信託の種類によって投資先は異なる!種類ごとのポイントを解説

投資信託は商品ごとに異なると言ってよいほど、さまざまな種類があります。

 

あまりの種類の多さに、どうやって投資信託を選べばよいか困る方も多いのではないでしょうか?

 

投資信託は投資先により特徴が異なり、また投資先や運用手法によってリスクもある程度決まってきます。

なかには資産総額を超える運用を行ってより高いリスクを目指す投資信託や、海外へ投資する商品の場合は為替によって収益が変動するものもあります。

 

今回は、投資信託の種類とそれぞれのポイントについて解説していきます。

投資信託にはさまざまな種類がある

ひとくちに投資信託といっても、投資先や運用手法などは異なるため、さまざまな種類があります。

投資先は株式、債券、不動産(REIT)が主なもの

投資信託の投資先は、主に株式、債券、不動産(REIT)の3つに分けられます。

 

株式投資信託は、いくつかの銘柄に直接投資する商品もあれば、ベンチマークに投資する商品もあります。

 

債券の投資信託は、国債や社債、公社債、バンクローンなどが投資先として選ばれます。

 

不動産の投資信託(REIT)は、直接不動産に投資するのではなく、不動産投資信託証券に投資することが特徴です。

 

運用手法はインデックス型とアクティブ型の2種類

投資信託の運用手法は、大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2種類に分けられます。

 

インデックス型は、対象とするベンチマークと同じ値動きをすることを目指します。

 

例えば、TOPIX連動型インデックスファンドの場合は、TOPIXに連動するように運用が行われます。

このためベンチマークが下落傾向にあると、インデックスファンドの基準価額も下がります。

 

一方でアクティブ型は、ベンチマークよりもよい収益を目指して運用が行われます。

その代わり手数料が高くなること、アクティブ型といっても損をしないわけではないことに注意が必要です。

 

日本国内が対象の投資信託

日本国内が対象の投資信託は、初心者でも抵抗が少ないものです。

それぞれの種類について、紹介していきます。

株式に投資

日本国内の株式に投資する商品で、基準価額の上下は株価と連動します。

 

それぞれの投資信託はあらゆる銘柄を対象としているのではなく、ある程度範囲を絞っている商品が多いです。

例えば日経225や、JASDAQとマザーズ限定、高い利益率が見込める銘柄に投資する、といった投資信託があります。

 

また医薬品業界やインターネット業界など、特定の業界に絞った投資信託もあります。

各社の株式を個別に購入する場合に比べて、少ない資金で投資できることがメリットです。

債券に投資

債券に投資する場合は、日本の国債や公社債、国内企業の社債(普通社債や転換社債)が対象となる場合が多いです。

 

投資対象の金融商品の特性上、中長期で運用される商品が多くなっています。

 

また、株式に対して低リスクと言われていますが、投資先は商品によって異なるため、リスクの度合いも商品ごとに異なります。

 

不動産に投資

国内の不動産を投資対象とする投資信託は、J-REITといわれる不動産投資信託証券が投資先となります。

 

リスクは株式よりも低い商品が多くなっています。

 

ただし、投資信託ですから運用成績により利益を得ることも、損失を出す場合もあります。

投資資産の運用は円建てとは限らない

国内を対象とした投資信託を日本国内で購入するなら、投資した資産は当然円建てで運用されるはずと思うことでしょう。

 

多くの投資信託はその通りですが、一部で他国の通貨建ての商品が存在します。

 

例えば、国内株式に投資する商品でも、アメリカ・ドルやメキシコ・ペソで運用される商品があります。

 

このため、投資した資産がどの通貨で運用されるかについても、あわせてチェックすることが大切です。

 

海外を対象とする投資信託

投資信託には海外を対象とする商品もあり、大きく分けて株式、債券、不動産の3種類があります。

株式に投資

海外を対象とする投資信託の場合、多くは以下のいずれかのパターンに分けられます。

  • 投資先の国、または地域を限定する(アメリカ、オーストラリア、アラブ諸国など)
  • 投資先の業種を限定する(SNS関連、医療など)
  • ベンチマークを基準とした運用を行う(この場合は、全世界を対象とした投資信託もある)

 

投資先の国や業種によってはハイリスクとなる場合があります。

過去の運用成績はもちろん、投資先の政治や経済状況もチェックすることが必要です。

債券に投資

投資信託には、海外の債券に投資する商品もあります。

 

多くの商品は投資先の国と債券の種類が指定されており、アメリカの社債やバンクローンを投資先としたものが商品例として挙げられます。

その中でも、海外の債券への投資先にはハイ・イールド債がよく選ばれます。

 

ハイ・イールド債とは、格付け機関から「投機的格付け」と評価された国や企業が発行する債券です。

いわゆる信用力の低い国や企業であり、金利が低いと安定した国や企業に資金がまわってしまいますから、金利を高くして投資をしてもらえるようにしています。

 

金利が高いことは魅力ですが、元本や利息の支払いが滞るデフォルトのリスクもありますから、高リスクの投資信託ということは頭に置いておきましょう。

不動産に投資

海外の不動産を対象とする投資信託の場合、商品は全世界を対象とするものと、アジアなど地域を限定したものに分けられます。

 

株式への投資と同様、その国や地域の事情を注視することがリスクマネジメントにつながります。

為替ヘッジ有りと無しの違い

海外を対象とする投資信託の特徴として、投資信託そのものの運用成績と別に、為替による損益も基準価額に影響します。

 

このため、円高になると投資信託自体の運用成績はよくても、為替差損によりトータルで損失となる場合もあります。

 

為替ヘッジ有りの投資信託は、あらかじめコストをかけて為替ヘッジを行うことにより、基準価額の値動きから為替による影響を除くことができます。

その代わり、為替が円安に動いた場合でも為替差益を受けることはできません。

 

より多くの利益を求めたい場合は「為替ヘッジ無し」、より安定した運用を求める場合は「為替ヘッジ有り」の投資信託を選ぶとよいでしょう。

 

特徴のある投資信託

投資信託にはインデックスファンドやアクティブファンドの他にも、特徴のある投資信託があります。

絶対収益型

投資信託を行う主な目的は、利益をあげることです。

しかし、多くの投資信託は収益をあげることは結果であって、目標としていないことが現実です。

 

「ベンチマークを上回る運用成績」と書いてあっても、実際には「この経済環境だから、運用成績はマイナスでよし」とされる場合もあります。

 

一方で投資信託のなかには、いかなる経済環境であっても収益をあげることをめざす、絶対収益型の投資信託があります。

このため投資信託で利益をあげたい方には、うってつけの商品のように見えます。

 

もちろん常に収益を上げ続ける工夫をしていますが、必ずしも利益が出るとは限らず、損失となるケースも多いです。

従って、絶対収益型の投資信託といえども、運用成績のチェックは欠かせません。

商品に投資する「コモディティ型」

コモディティとは、商品のことを指します。

 

コモディティ型の投資信託には、金やプラチナなどの貴金属、原油といった商品に投資する商品があります。

 

これらの商品は株式や債券、不動産と異なる値動きをするため、分散投資の効果を上げる一つの方法となります。

特に金などの貴金属は、それ自体に高い信用力があるため、株価の下落局面で買われる傾向があります。

 

株価と逆の値動きをするため、リスクヘッジをする上で有効な選択肢となります。

資産総額を超える運用を行う投資信託もある

投資信託で運用会社が取引を行う額は、投資信託の資産額、つまり信託財産の純資産総額までとすることが一般的です。

 

しかし、投資信託のなかには純資産総額の2倍から4倍の買い付けを行い、ベンチマークの2倍から4倍の値動きをめざす投資信託もあります。

 

いわゆるブル型やベア型の投資信託が例としてあげられ、ハイリスク・ハイリターンであることが特徴です。

従って基準価額が上昇局面にある場合は、ベンチマークを大きく上回る利益が見込めます。

 

その反面、基準価額が下落局面の場合は損失も大きくなり、より多くの資産が失われますから注意が必要です。

 

 

複合タイプの投資信託もある

投資信託のなかには、複数の種類を投資先とする、複合タイプの商品もあります。

バランス型など複数の種類に投資するタイプ

投資信託のなかには株式と不動産など、複数の種類を投資先とする商品もあります。

 

例として、株式と不動産に投資する「三菱UFJ東京関連オープン」があげられます。

複数の種類に投資することで、リスクを抑えられることが特徴です。

 

特に株式と債券は反対の値動きをすることが多いため、両者を組み合せた「バランス型」はリスクが軽減される商品とされています

 

とにかく何でも対象の投資信託もある

ほとんどの投資信託は、あらかじめ投資先を絞った上で商品を発売しています。

しかし、投資信託のなかには儲かりそうならば何にでも投資する商品もあります。

 

例えば「楽天みらいファンド」は、以下の金融商品をもとにしたETF(上場投資信託)を投資対象としています。

多くの投資先から収益が得られそうなものを運用会社が選んで投資してくれる点は、投資家にとってありがたいものです。

その反面、資金の投資先が広範囲に分散しがちであり、思わぬリスクが発生する場合もあります。

 

このタイプの商品に投資する場合は、証券会社が提供する運用成績をよくチェックすることが欠かせません。

 

投資信託を選ぶ際、何に投資する商品なのかをチェックしよう

投資信託を選ぶ際は、何に投資する商品なのかをチェックすることが重要となります。

 

なぜなら、投資先とされるものはいずれも価格が変動するためです。

 

例えば、株式を投資先とするアクティブファンドはベンチマークを上回る収益を目指す商品ですが、株式相場の下落局面で収益を上げることは難しいでしょう。

このため、儲かりそうというイメージだけで選ぶと、大きな損失を出すおそれがあります。

 

投資先の金融商品に関連するベンチマークの変動状況も踏まえて、投資先を選定することが欠かせません。

 

まとめ

ひとくちに投資信託といっても、投資先の国や種類、運用手法などによって、基準価額の値動きやリスクは大きく異なります。

そのため、同じ時期に投資しても投資信託の商品によって運用成績は大きく異なります。

 

なるべく収益をあげるためには、市場の状況や過去の運用成績をよく研究する必要があります。

少なくとも、「誰かが大丈夫といったから」という理由で投資先を決めることは、避けなければなりません。

 

専門家にアドバイスを乞うことは推奨されますが、投資は自己責任ですから、判断は自分自身で行うものであることを忘れないようにしましょう。