未成年口座!メリットとジュニアNISAとの違い、口座開設の流れ・注意点

今回は、2016年からジュニアNISAが始まったことでも開設をおすすめしたい未成年口座について解説していきます。

 

未成年口座は、ジュニアNISAを使えば年間80万円までの投資枠が最長5年間に渡って非課税となるだけでなく、未成年口座を含めた家族の人数分の口座を活用することによって株主優待投資やIPO投資で有利に立ち回ることも可能になります。

未成年口座についておさえ、早速口座を開設してしまいましょう!

未成年口座で株取引をしよう!

未成年口座の基本をおえておきましょう。

未成年口座とは

未成年口座とは、満20歳未満の未婚者を対象とした証券取引口座のことです。

未成年者は証券取引口座を開設することはできませんが、親権者が証券口座を開設している場合などには、一定の手続きを踏むことで未成年口座を開設することができます。

 

未成年口座では、信用取引や先物・オプション取引といったリスクのある取引は利用できませんが、現物株取引やIPO、投資信託、外国株式といった基本的な取引は利用可能。

 

未成年口座を開設すべき理由として、ジュニアNISAを活用できることやIPOに応募する口数を増やしIPOの抽選確率を上げられることが挙げられるでしょう。

他にも、吉野家ホールディングスのように最低単位数で優待利回りが最大化される株主優待銘柄を、家族分保有できることなどもあります。

ジュニアNISAとの違い

未成年口座と深い関わりがあるジュニアNISAについても把握しておきましょう。

2014年から一定の投資枠内で出した利益が非課税となるNISAが始まっていますが、2016年からは未成年口座向けのジュニアNISAも始まりました。

 

NISAでは年間120万円までの投資枠内で出した利益が最長5年間に渡って非課税となりますが、ジュニアNISAでは年間80万円までの投資枠内で出した利益が最長5年間に渡って非課税となります。

ただし、ジュニアNISA口座は18歳まで払い出し制限がされており、18歳になるまでに引き出してしまうと、過去に遡って課税対象となってしまう点には注意が必要です。

 

ジュニアNISA口座を開設するには未成年口座の開設が必要となりますが、証券会社ごとにジュニアNISA開設基準がやや異なるため確認しておきましょう。

 

未成年口座の4つのメリット

未成年口座の4つのメリットを確認していきましょう。

株主優待を受けられる

未成年口座の1つ目のメリットとしては、1家族で複数の株主優待が受けられるようになることが挙げられます。

 

例えば、【9861】吉野家ホールディングスの株主優待は、100株保有で吉野家のサービス券が3,000円分貰えます。1,000株保有した場合は6,000円分となり、資金効率の観点では落ちることになります。

そこで、子どもの未成年口座を活用して、家族4人分の口座で吉野家の株を100株ずつ合計400株保有すれば、合計12,000円分の株主優待サービス券を貰うことが可能になりますね。

 

株主優待銘柄は吉野家のように最低単位株保有時に最も優待利回りが高くなる銘柄が多いため、未成年口座を使って株主優待を家族分貰うようにすれば非常にお得です。

IPOの申込みが可能

近年、個人投資家を中心にIPO投資が人気となっています。

しかし、IPO投資の人気は過熱しており、IPO抽選に応募しても当たる確率は非常に小さくなっているのが現実です。

 

IPOに当選する確率を上げるには、単純にIPOへの応募数を増やすという方法が有効。

未成年口座を活用して、家族全員分の口座でIPOに応募すれば、IPOの当選確率を上げることが可能になります。

生前贈与は年間110万円まで税金0円

贈与税は税率が非常に高く設定されていますが、年間110万円までなら非課税。

未成年口座に毎年110万円ずつ贈与しておけば、相続税対策になります。

 

日銀は2%のインフレ目標を掲げおり、現金として毎年110万円ずつ子どもに贈与した場合はインフレに押されることになりますが、未成年口座で株式や投資信託で運用すれば現金で贈与するよりも有利です。

ジュニアNISAを使えば非課税枠がある

年間80万円までが非課税枠となるジュニアNISAを使えることも、未成年口座の大きな利点です。

 

毎年ジュニアNISAの枠内である80万円ずつ贈与すれば、贈与税も発生せず、未成年口座の利点を最大限に活用できることになります。

ただ、ジュニアNISAの制度は投資可能期間が2023年までになっています。

 

ジュニアNISAには期限があるため、早めに未成年口座とジュニアNISAを開設しておきましょう。

 

未成年口座を開設しよう!

子どもが将来的に投資をすることにならなくても、現時点で未成年口座を開設しておくだけで多くのメリットがあることがわかりましたね。

未成年口座の開設は無料で、口座維持のための手数料なども一切掛からず、完全ノーリスクで開設することが可能です。

未成年口座開設までの基本的な流れ(3STEP)

未成年口座を開設するまでの流れは、証券会社ごとにやや違いはあるものの、次のような流れになります。

  1. 親権者の口座が開設してある証券会社から未成年口座の開設を申し込む
  2. 親権者の本人確認書類や未成年者の続柄確認書類などを提出する
    (※必要書類は下記参照)
  3. 口座開設手続き完了後に送られてくる資料からログインする

 

基本的には、通常の証券口座開設手続きと同様の流れになりますが、未成年者の続柄確認書類として住民票や健康保険証の写しを提出することが必要です。

 

未成年者が口座開設するためには、主に以下の書類が必要になります。

  • 未成年口座申込書
  • 親権者の同意書
  • 親権者の印鑑
  • 未成年者のマイナンバー(通知カードでok)
  • 親権者と未成年者の本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)
  • 親権者と未成年者の続柄確認書類(戸籍謄本や住民票・健康保険証の写し)

未成年口座を開設する際の5つの注意点

未成年口座を開設する際の注意点をいくつか確認しておきましょう。

対象の証券会社に親権者の口座があること

多くの証券会社では、親権者の口座が開設されていることが未成年口座開設の条件となっています。

ライブスター証券や松井証券では親権者の口座がなくても開設可能ですが、親権者の同意書が必要です。

岡三オンライン証券では、親権者口座・同意書がなくても開設可能ですが、その代わり運用管理者となる代理人の証明が必要となります。

0~20歳未満であること

20歳未満でなければ、未成年口座を開設することはできません。

これは全ての証券会社で共通となっています。

未婚であること

多くの証券会社では、20歳未満でも未婚であることを条件としています。

20歳未満で既婚の場合は、通常の証券口座を開設することが可能となります。

国内に居住していること

日本国内に居住していることも、未成年口座開設のための条件にされることが多くなっています。

当人名義の銀行口座があること

証券口座へは未成年者当人名義の銀行口座から入金・出金をする必要があるため、当人名義の銀行口座が必要になります。

未成年口座で得た利益にかかる税金は20%

未成年口座を使って得た利益に発生する税金は、一律約20%(所得税15%・住民税5%)となります。

ジュニアNISAで非課税となる場合を除いて通常の証券口座と同じ扱いとなり、税金の点で優遇されることも冷遇されることもありません。

 

親が未成年口座を使って売買して発生した分の利益についてはやや複雑になるため、「源泉徴収ありの特定口座」を開設しておき、納税から確定申告まで全て証券会社に自動で行ってもらうことをおすすめします。

未成年でバイトやパートなどの給与所得がある場合も、株式投資で得た利益は分離課税であるため、一律20%の課税である点は変わりません。

 

まとめ

2016年からジュニアNISAが始まったことにより、未成年口座を開設するメリットはより大きくなっています。

また、子どもの資産形成や相続税・贈与税対策として未成年口座を使わなくても、株主優待やIPO投資で有利に立ち回るためには未成年口座を開設しておくべきでしょう。

 

未成年口座の開設には多くのメリットがある反面、未成年口座を開設しても何のデメリットも生じません。

ただし、ネット証券ごとに未成年口座で取り扱っている金融商品が異なり、ジュニアNISAは1つの証券会社でしか開設できないため、「どの証券会社でジュニアNISAを開設するのか?」は考えておくべき。

早速、未成年口座を開設してみてはいかがでしょうか。