円安に敏感な輸出関連株とは?円安時に注目すべき銘柄はコレだ!

自社の商品やサービスを国外に提供している企業を輸出関連株と言います。

日本の主力産業として主に自動車や家電製品などで海外売り上げを伸ばし、アベノミクスにより2012年頃から進む円安の恩恵を大きく受けてきました。

 

アベノミクス継続により期待できる輸出関連株に注目し、その特徴や投資する際の注意点、代表的な銘柄など重要なポイントをご紹介していきます。

 

日本の産業界を支える輸出関連株

主に海外との取引が多い業種を輸出関連株と言います。

輸出関連株の業種や特徴

輸出関連株は売り上げの大半が海外事業での収益によるもので、グローバル市場を相手にしていることから「外需関連株」とも呼ばれます。

 

具体的な業種は自動車や電機、電子部品、機械、精密機器、ハイテクなど多岐に渡り、国際的な競争力を持つ企業が多い印象です。

また、輸出関連株は円安が進むと株価が上がり、円高になると株価が下がるなど、為替や海外景気に左右されるという特徴があります。

 

近年グローバル化が進むなか各国は通過の安値対策に積極的で、輸出大国と言われる日本もアベノミクスにより2012年頃から円安を進行させてきました。

一方で、輸出関連株とは対照に主な事業基盤を国内に置く通信や電力、建設や不動産などの輸入関連株は、為替の変動が輸出関連株と逆の影響を受けます。

 

輸出や輸入がなぜ為替の影響を受けやすいのか詳しく見ていきましょう。

 

なぜ円安で輸出関連株が買われるのか

輸出関連株が買われる一番の要因は円安の進行です。

日本は今円安傾向にあり、輸出関連株が軒並み値を上げていますが、「円安」とは円の価値が下がり日本製品が海外で安く買える状態を表しています。

 

240万円の自動車を輸出した場合
  • 1ドルが100円なら「240万円 ÷ 100円 = 24,000ドル」
  • 1ドルが120円なら「200万円 ÷ 100円 = 20,000ドル」

 

120円の円安時のほうが日本製品を海外で安く買うことができます。

 

反対に円高に進むと、海外での価格が高くなり商品が売れにくくなるため、輸出企業にとって大きなダメージを受けることになるのです。

また、輸出関連株は為替以外に景気動向にも左右されやすく、主な輸出先の景気低迷が続くと売られてしまう傾向にあります。

 

TPPアメリカ離脱による輸出関連株への影響

2016年11月8日に実施されたアメリカ大統領選の結果トランプ氏が当選したことで、日本経済への影響が懸念されていました。

しかし、その不安がすぐに払拭されたのも、トランプ政権の掲げる減税や投資拡大の方針を受けて米長期金利が上昇し、急速な円安の進行を招いたのです。

 

日本の輸出関連株にとって追い風かと思われましたが、2017年1月20日にトランプ大統領へ就任後、アメリカがTPPから離脱することを述べました。

加盟する10カ国間の関税などを撤廃する協定を結んでいたTPPを離脱することで、今後アメリカへ輸出の際に高い税金がかかる可能性が考えられます。

 

現状は円安の恩恵を受けている輸出関連株ですが、アメリカの経済発展を最優先に考えるトランプ氏の行動には注視しておく必要がありそうです。

 

円安の恩恵を受けやすい代表的な輸出関連株

円安が進むことで業績回復が期待され、輸出関連株が注目されると真っ先に買いが向かいやすい4銘柄を紹介していきます。

【6134】富士機械製造

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市場 東証一部
業種 機械
単位 100株
比較される銘柄 不二越、高松機械、ハーモニック
注目ポイント 海外での売上高は9割近くを占める

 

ロボットなど自動装着装置で首位の同社は開発から製造・販売までを手掛けており、9割近くを海外でシェア獲得している。

そのうち大半を占める輸出先の中国が、今後成長し続けるかどうかが鍵を握っていると言えます。株価は2016年から約3倍に迫る勢い。

 

【7267】ホンダ

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市場 東証一部
業種 輸送用機器
単位 100株
比較される銘柄 トヨタ、日産自、スズキ
注目ポイント 二輪で世界首位、四輪で世界9位

 

自動車メーカーの同社は二輪や金融サービスなど幅広い事業を展開しており、海外の売上高は84%も占めている。

その半数近くを北米で売り上げているため、トランプ大統領の政策に影響を大きく受けることが予想されます。

 

【4902】コニカミノルタ

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市場 東証一部
業種 電気機器
単位 100株
比較される銘柄 キヤノン、リコー、シャープ
注目ポイント 液晶TACフィルムで世界高シェア

 

主にコピー機やインクジェットなどのオフィスで使用される電子機器を中心に取り扱っている同社は海外での売上高8割近く。

売上の割合を大きく占める欧州の事務機事業が底打ちとの期待もあり、先月9月からもう一段高を目指す動きが株価に表れている。

 

【6857】アドバンテスト

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市場 東証一部
業種 電気機器
単位 100株
比較される銘柄 ディスコ、東京精、東エレク
注目ポイント 半導体試験装置で世界首位

 

電子計測技術を軸に事業展開や買収を手掛けており、海外での売り上げを9割以上も占めている。

その7割近くをアジアで売り上げているため常に動向を注目しておく必要がありますが、当面は需要が高まると期待できる。

 

まとめ

円安の恩恵を受けて業績が向上し、雇用や賃金が増えて国内景気も潤う。

すると株価は上がり、私たち個人投資家のチャンスが大きく広がって更なる経済発展に繋がる、これがまさに理想の形でしょう。

 

世界の景気に左右されやすい輸出関連株の特徴を知ることで、投資の幅が広がり経済の仕組みを理解することに今後役立つかもしれません。