今回は、株式投資を始めるにあたって必要となる元手(投資金)についてお話していきます。
投資家にとって投資金は最大の武器。
元手(ストック)が多ければ多いほど、戦略も利益(フロー)も増えます。
しかし、いきなり大きな元手で株式投資を始めることはおすすめできません。
まずは少額の資金で株式投資に慣れることが大事です。
この記事を読んで、株式投資に必要な元手について考えてみましょう。
目次
株式投資を始めること自体に大金は不要
株式投資を始めるだけなら大金は必要ありません。詳しく説明していきましょう。
ミニ株なら1万円から可能
貴方は、株式投資をするためには大金が必要だと思い込んでいないでしょうか?
東京証券取引所では個人投資家が株を買いやすくするために、2018年10月から全ての銘柄の単元株数を100株に統一するなどの整備が行われています。
具体的には、500万円程度あれば東証に上場しているどの銘柄も買うことができます。
ちなみに、100万円あるだけでも、東証に上場している98%以上の銘柄が購入の対象になります。
単元株数未満で買えるミニ株なら1万円から株式投資を始めることもできます。
NISAを使えば、120万円までの投資枠が非課税になるなどの税制優遇処置もあります。
政府としても、国民の資産を現金から投資へシフトしたい思惑があることから、個人投資家を取り巻く投資環境はとても良くなっています。
利益が出たら投資金を増額
株式投資は小額から始められるものの、やはり元手(ストック)が多い方が利益(フロー)も増えます。
ですが、多額の元手を持っていたとしてもいきなり全てを注ぎ込むのはおすすめできません。
最初は多くても100万円程度から始めることをおすすめします。
そこから利益が出たら徐々に投資金を増やしていきましょう。
株式投資は、まずは慣れることが重要。
慣れてきて利益が出せるようになったら徐々に投資金を増やしていくことです。
シミュレーションならタダ
少額の元手から株式投資を始めてもいいが、慣れない内は無料株式投資シミュレーションサイト「トレダビ」を使ったり、ノートの上でつもり売買をしてみてみましょう。
ただし、シミュレーションサイトやつもり売買であっても、本番と同じように真剣に取り組み、結果から復習して反省することが重要です。
シミュレーションサイトやつもり売買はノーリスクでありながら大きな学習効果が期待できますが、失敗から学ぶ習慣を付けなければ株式投資で継続的に利益を出せるようにはなりません。
元手を設定するには利益目標を定める
株式投資の元手をいくらにすればいいのかを考えてみましょう。
投資をしないと利益もない
当たり前の話になりますが、投資をしなければ利益が出ることもありません。
しかし、だからといってただ闇雲に資金を株式投資に投じればいいというものではありません。
株式投資には常にリスクが伴います。
重要なのは、目標とする利益を決めて適切な投資金を設定することにあります。
目標の利益から逆算して元手を設定
株式投資と聞くと、「ガンホーに投資して100万円を1億円にした!」とか「HEROZのIPOで100万円が一夜で1000万円になった!」といった話を連想すると思います。
しかし、これらの話は宝くじに当たるような話であり、再現性はゼロに等しくなります。
2013年以降、多くの投資家が第二のガンホーを夢見てマーケットから退場しています。
現実的な株式投資を考えると、目標とする利益額を決めて、目標利率を設定し、達成までの期間を逆算する方法を取ることを推奨します。
考え方としては、最初から数倍~数十倍といった非現実的なことを目標にするのではなく、年率3~5%といった現実的な目標を設定した上で次のステップとして数百%の利益を目標に設定するのがいいでしょう。
株式投資をしていると、投資した銘柄が予想以上の利益をもたらすことがあります。
しかし、最初からそのような予想外の利益を目標にしてしまうと、大きなリスクを取ることになってしまいます。
予想以上の利益は、現実的な目標の延長線上にあると考えることです。
利益目標達成までをシミュレーションしてみる
年率5%を目標としたときに、300万円の目標利益を達成するのに必要な期間を元手ごとに年単位で割り出してみましょう。
※取引における手数料や税金などは除外
■目標利益:300万円
投資金 | 年率 | 必要年数 |
10万円 | 5% | 70年 |
50万円 | 37年 | |
100万円 | 23年 | |
150万円 | 15年 |
株式投資ではいくら複利の力を受けれるとはいえ、投資金10万円では300万円にするために70年も掛かってしまいます。
10万円から300万円の資産を形成したい場合は、資産運用ではなく、労働で資産形成をする方が合理的です。
次に、同じく年率5%を目標としたときに、500万円の目標利益を達成するのに必要な期間を、元手ごとに割り出してみます。
※取引における手数料や税金などは除外
■目標利益:500万円
投資金 | 年率 | 必要年数 |
100万円 | 5% | 33年 |
200万円 | 19年 | |
300万円 | 11年 | |
400万円 | 5年 |
投資資金を100万円から300万円に3倍に増やすと、達成期間が3分の1になっていることに注目してみましょう。
ちなみに、100万円が500万円になるまでには33年掛かりますが、同じ期間運用したとすると300万円は1,500万円まで増える想定となります。
最後に、同じく年率5%を目標としたときに、2,000万円の目標利益を達成するのに必要な期間を元手ごとに割り出してみます。
※取引における手数料や税金などは除外
■目標利益:2,000万円
投資金 | 年率 | 必要年数 |
500万円 | 5% | 29年 |
750万円 | 21年 | |
1,000万円 | 15年 | |
1,250万円 | 10年 |
このシミュレーションから、貴方に強く認識しておいて欲しいことがあります。
それは、投資で資産を増やす効果が強く表れてくるのは、資産が大きくなってきた段階であるということです。
しかし、労働収入で大きな元手を作ったとしても、株式投資の経験がなければ失ってしまうだけ。
複利の恩恵を享受するためにも、株式投資のスキルは早い段階から身に付けておく必要があります。
投資中のメンタルの保ち方
株式投資で最も重要なメンタルコントロールについて説明していきましょう。
個人投資家のブログやSNSをチェックする
株式投資をやっていると、損失が出る時期(ドローダウン時期)が必ず訪れます。
これはどのような投資家であっても同じです。
この辛い時期を乗り越えるために、貴方と同じような境遇にいる個人投資家のブログやSNSをチェックするのはおすすめの方法です。
また、上級投資家の話を聞いてみるのもいいでしょう。
しかし、甘いことしか言わない投資家やトレーダーには気を付けた方がいいです。
プロトレーダーならば、苦しい期間を乗り越えるためのメンタルコントロール術にも長けているはずです。
人間である以上、不安や恐怖を完全になくすことはできません。
不安や恐怖といった感情と付き合いつつ、マイルール通りに動けるメンタルを保つことが重要です。
個人投資家としてSNSで発信する
個人投資家としてブログやSNSで情報を発信するのは、スキル向上にも繋がるおすすめの方法です。
第三者の目に触れる環境で情報を発信することで、自分自身の投資についてより客観的に見ることができます。
また、SNSで発信するとなると、情報を発信するためにも自身の取引記録を付ける必要も出てきます。
それは売買日記や記録を付けるインセンティブにもなるでしょう。
自身のSNSで情報を発信するのは、株式投資のスキルを向上させる方法として是非とも実践してみてはいかがでしょうか。
思わぬ発見が必ずあり、貴方の投資成績にも良い影響を与えることでしょう。
まとめ
10万円程度の少額から株式投資を始める方が増えています。
ミニ株なら1万円から投資可能なので、気軽に始めやすい環境が整っています。
元手(ストック)が多い方が利益(フロー)や戦略の幅も増えることは確かですが、初めから大金を入れるような行動は控えましょう。
目標とする利益を決めた上で、適切な投資金を設定することが大事です。
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。