米テスラの株価低下から見える日本の自動車の底堅さ

アメリカの電気自動車メーカー「テスラ」の株価下落が続いているというニュースが、市場で話題となりました。

時価総額も急激に増加していたテスラですが、車の生産体制や社内マネジメントがうまくいっていない報道が伝えられています。

 

一方、電気自動車の分野で後れを取っていると言われている日本の自動車ですが、トヨタ自動車【7203】は最高益を出していて、底堅さが目立ちます。

 

生産体制が思うようにいっていないテスラ

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで株価も上昇していましたが、最近はその期待が失望に変わりつつあります。

 生産台数は目標の半分以下で1~3月期は790億円の赤字

テスラといえば、その洗練されている電気自動車のデザインなどで人気を集めています。

世界的な人気で、供給が需要に追い付いていない状態が続いています。

 

それを解消するために大量生産に力を入れていましたが、3月に入って週に2,000台しか生産されていません。

この数字は、1週間で5,000台という目標生産台数の半分以下です。

 

生産体制の遅れが響き、5月2日に発表された1~3月期の決算では約790億円の赤字になっています。

ただ、今年の後半では生産体制を軌道に乗せて「黒字化」を目指すということです。

 

社内では不満が溜まり退職者も

アメリカのメディアによると、テスラの幹部クラスが次々と退職をしているということです。

社内での環境に不満があり、転職をしているということは、社内の風通しがあまりよくない様子。

 

しかも、その転職先はライバル企業であるグーグルの関連企業などということなので、テスラに与える損害は大きなものになりそうです。

 

社内の風通しや意思疎通といったとこから、生産体制の遅れなど問題が相次いで出てきています。

今までの期待が相当大きかった分、反動で株価も急激に下落している状態です。

 

日本の既存の自動車メーカーは手堅い

日本の自動車メーカーを見てみると、それぞれに利益を出して、現在は順調に推移していることが分かります。

トヨタは過去最高の営業利益を確保

テスラが自動車の大量生産体制で苦戦するなか、日本の自動車メーカーは好調です。

トヨタ自動車は過去最高の2.4兆円の利益を上げていますし、その安定感が際立ちます。

 

今期は円安など為替の影響も大きいですが、それでも依然として自動車販売が好調なことが分かります。

 

テスラもその期待感から、時価総額を急激に増加させていましたが、現在はやや失速気味です。

生産体制を整えるノウハウなどが足りなかったことが露呈された形です。

 

電気自動車や自動運転など話題が多い自動車業界

自動車業界は近年、大きな話題が多いです。

ヨーロッパや中国を中心として電気自動車の広がりを見せているかと思いきや、AIを絡めた自動運転の車の報道も頻繁に伝えられています。

 

既存の自動車メーカーがこのような新しい分野でも市場を取っていくのか、またはテスラのような新しい自動車メーカーが既存の自動車メーカーに取って代わるのか。

今回のように「テスラ生産台数の遅れ」という一つのニュースが出ると株価は大きく変動します。

 

関連企業も含めると自動車業界はまだまだ狙い目

自動車業界は、部品などを製造している関連企業を含めて日本の製造業の中心と言えます。

 

そのため、時代に合った技術を持っている企業は狙い目です。

電気自動車の普及スピードが重要

特にエンジンなどの部品を製造している企業などの動向は、電気自動車の影響を直接受けることになります。

そのため、テスラなど電気自動車を製造している企業の最新ニュースは抑えておきたいところです。

 

電気自動車の普及が先なのか、自動運転の技術が飛躍的に伸びるのか。

 

自動車の関連企業というのは数多くありますが、電気自動車が普及すると、かなりの数の部品メーカーが苦しい立場になります。

しかし、電気自動車が普及することで、別の自動車関連の企業にとっては有利に働くこともあります。

 

日本の市場ニュースだけでなく、アメリカや中国、そしてヨーロッパといった市場ニュースもチェックすることで、まだまだ狙い目の企業も見つかるのではないでしょうか。

 

自動運転車の普及はいつ?

巷では、数年前から自動運転のニュースが多く流れています。

アメリカではグーグルなども自動運転の分野に乗り込んでいます。

 

もちろん、日本の自動車メーカーも自動運転の開発に力を入れていますが、この自動運転のシステムをリードする会社が次世代の自動車業界もリードすることになりそうです。

 

AIを利用した自動運転のサービスは、グーグルのように通信の分野からの参入もありますし、もはや既存の自動車メーカーだけが競合ではありません。

ただ、この分野で他の企業より有利になれば、自動車だけでなく、さまざまな分野への進出も可能になるのではないでしょうか。

 

そのため、この自動運転の普及がいつになるのかと、どの企業が開発をリードしているかが大きなポイントになります。

 

まとめ

今回の記事では、アメリカのテスラ電気自動車の株価下落と日本自動車メーカーの好調さまでをご紹介しました。

現在、この自動車業界は大きく変革しようとしています。

 

自動車業界は関連企業も非常に多いので、これからも電気自動車や自動運転などのニュースでまだまだ伸びる銘柄もあるのではないでしょうか。

日本の市場ニュースだけでなく、海外の市場ニュースもチェックして良い銘柄を見つけていきましょう!