日経平均株価は、日本株全体の状態を示す株価指数。
そのため、その算出方法や構成銘柄について押さえておくことは重要です。
また、日経平均と並ぶ株価指数であるTOPIXや、日本株にも大きな影響を与えるアメリカの株価指数NYダウについても押さえておいて欲しいと思います。
これらの代表的な株価指数の概要を知っておくことは、貴方の株式投資にも必ず役に立ちます。
目次
日経平均を正しく理解して市場の動きを知る
日経平均とは何かを説明していきましょう。
日経平均は選ばれた銘柄の株価平均値
日経平均は、東京証券取引所第一部(東証一部)に上場している225銘柄の株価を平均して算出されている株価指数です。
東証一部には2,100銘柄以上の企業が上場していますが、日経平均は東証一部に上場している銘柄の中から日本経済新聞社が選んだ225銘柄で構成されています。
日経平均を構成する225銘柄には、トヨタやソニー、NTTといった日本を代表する企業が選ばれていることから、日経平均は日本株全体の状態を示す株価指標として見られています。
日経225銘柄は入れ替えも発生する
日経平均に採用されている225銘柄は、常に同じ銘柄で構成されているわけではありません。
「日本株全体の状態を示す株価指標」という指標性を維持するために、構成銘柄の入れ替えが行われています。
日本経済の産業構造がIT化で変化し続けているように、日経平均の構成銘柄も変化し続けています。
構成銘柄の入れ替えは、毎年10月初めに定期的に実施されていますが、上場廃止などによって構成銘柄に欠員が生じた場合には臨時で入れ替えられることもあります。
ちなみに、直近の2018年10月の定期見直しでは、古河機械金属が除外された代わりに、サイバーエージェントが新たに日経225銘柄に採用されました。
株価指数と呼ばれるものは日経平均だけではない
日本の株価指数としては日経平均(日経225)が最もポピュラーですが、株価指数としては東証株価指数TOPIXやJPX日経インデックス400、TOPIX Core30など様々なものがあります。
これらの株価指数は、構成銘柄や算出方法によって違いが出てきます。
詳しくは後から述べていきますが、TOPIXは東証1部に上場している全ての銘柄で構成されているなど日経平均との違いが多いです。
しかし、株価指数の違いは、あくまで構成銘柄や算出方法の違いでしかないため、本質的な部分では特に大きな違いはありません。
日本株全体が大きく上昇しているときは多くの株価指数が似たように上昇しますし、日本株全体が暴落しているときは多くの株価指数もまた似たように暴落するものです。
重要なのは、日経平均は世界中の投資家が最も注目している日本の株価指数であるということです。
日経平均とTOPIXの関係
日経平均と並ぶ代表的な株価指数であるTOPIXについて説明していきます。
TOPIXはもう1つの指標
日経平均と並ぶ日本株の株価指数として知られるのが、東証株価指数TOPIXです。
TOPIXは、東京証券取引所が、東証一部に上場する全ての銘柄の時価総額をベースにした指数で算出しています。
日経平均との最大の違いは、特定の値嵩株からの影響を受けないこと。
日経平均の大きな特徴として、ファーストリテイリングやファナックのような価格帯が大きい値嵩株の影響を受けやすいことが挙げられます。
極端な話、ファーストリテイリングやファナックが暴騰していれば、それ以外の全ての銘柄が下落していたとしても日経平均はプラスになる場合があります。
しかし、TOPIXでは東証一部上場の全ての銘柄を時価総額ベースで算出しているため、このような極端な現象は起きないというわけです。
日経平均との大きな違い
日経平均とTOPIXの違いを表で見ていくことにしましょう。
日経平均 | TOPIX | |
対象銘柄 | 225銘柄 | 東証一部の全上場銘柄 (2119銘柄 ※2018年11月28日時点) |
算出者 | 日本経済新聞社 | 東京証券取引所 |
算出方法 | 株価の平均値 | 時価総額ベースの指数 |
単位 | 円 | ポイント |
市場を見るには日経平均とTOPIXの両方をチェック
多くの場合は、日経平均とTOPIXは連動した値動きをします。
しかし、日経平均が上昇している一方で、TOPIXは下落しているようなことも少なくなく、その逆の場合もあります。
日経平均とTOPIXの値動きは両方チェックしておき、値動きが乖離している場合は、ファーストリテイリングやファナックのような日経平均寄与度の高い銘柄の動きをチェックすることを推奨します。
このようにして日経平均とTOPIXから相場全体の動きをチェックしておけば、市場全体の動きをよりよく理解することができるようになるでしょう。
日経平均はNYダウに影響されやすい
アメリカを代表する株価指数であるNYダウと日経平均の関係について説明していきましょう。
NYダウは日経平均のアメリカ版のようなイメージ
「ニューヨークダウ」や「ダウ平均株価」という言葉を、貴方もニュースなどでよく聞いていることでしょう。
NYダウは、アメリカの取引所S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しているアメリカ株の株価指数のことです。
アメリカ版の日経平均と認識しておけば問題ないでしょう。
ダウ平均株価には、「ダウ工業株30種平均」「ダウ輸送株20種平均」「ダウ公共株15種平均」の3つがありますが、ダウと言えば一般的には「ダウ工業株30種平均」のことを指しています。
つまり、日経平均は日本株を代表する225銘柄で構成されていますが、NYダウはアメリカ株を代表する30銘柄で構成されています。
NYダウを構成する30銘柄には、AppleやMicrosoft、Walmartといったアメリカを代表する銘柄が選ばれています。
しかし、あらゆる業種から30銘柄を選出しているため、世界時価総額2位のAmazonやGoogle(Alphabet)、Facebookは構成銘柄には入ってません。
ダウ構成銘柄には、GAFAの中ではAppleしか入っていない点には留意しておくべきでしょう。
アメリカ株全体の状態を更に詳しく見たければ、アメリカ株を代表する500銘柄から算出されたS&P500も見ておくことを推奨です。
NYダウが日経平均に与える影響
NYダウはアメリカ経済のみならず、世界経済の状態を示すバロメータとして世界中の投資家や経営者から注目されています。
言うまでもなく、日本株や日経平均はダウの影響を大きく受けざるを得ません。
日本の株式市場における外国人投資家の割合は、売買金額ベースで6割だと言われています。
日本株に対して大きな影響力を持つ外国人投資家は、ダウの値動きを見てから日本株に投資するため、ダウが大きく上げたら日本株は大きく買われて寄り付き、ダウが大きく下げたら日本株は大きく下げて寄り付きやすいです。
日本株の投資をするにあたっては、NYダウとドル・円相場は絶対にチェックしておかなければいけない指標です。
日経平均が株価に与える影響
最後に、日経平均が個別銘柄に与える影響についても説明しておきましょう。
日経平均は日本株全体のバロメータとして必ずチェックしておかなければいけない指標であり、日経平均を見ながら株の売買を行っている投資家やトレーダーは数え切れません。
多くの銘柄は、その銘柄自体に材料やニュースがなくても、日経平均の影響を受けて価格が連動して動くことが多いです。
ですが、だからといって、日経平均が全てというわけではありません。
あくまで株価指標に過ぎないと認識しておくことが重要です。
日経平均が暴落したとしても大きな買い材料が出た銘柄は上がり、日経平均が大きく上昇したとしても悪い材料が出た銘柄は暴落します。
日経平均は絶対にチェックしておかなければいけない株価指標でありますが、必ずしも全ての銘柄に影響を与えるわけではないということを認識しておきましょう。
まとめ
日経平均は東証一部に上場している代表的な225銘柄の株価の平均で算出されており、日経225構成銘柄は毎年10月初めに定期的に入れ替えが行われています。
日経平均は、ファーストリテイリングやファナックのような値嵩株の影響を受けやすいことがわかりました。
株式投資においては、日経平均とTOPIXの両方をチェックして市場の状態を抑えておくことが重要です。
その他、NYダウも日本株に大きな影響を与えるため、円相場とともにチェックしておきましょう。
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