選挙関連銘柄┃衆議院解散で株価はどうなる?選挙前後の動きも解説

選挙時期には投票に向けて印刷や宣伝車、投票機材、世論調査など受注増が見込める代表的な選挙関連銘柄が買われる傾向にあります。

 

とくに衆議院選挙や参議院選挙などの大きな選挙では物色が目立ちますので、より早い段階で仕込むことができれば値幅取りは比較的簡単!

 

アベノミクス継続への期待が高まるなか、選挙の準備に向けて走り出す関連銘柄をチェックしておきましょう。

 

衆議院を解散する意味は?

安倍首相が10月の衆議院解散を示唆したことで、解散総選挙に関するニュース一色となっています。

そもそも衆議院解散とは何か

9月28日に招集される臨時国会の冒頭で、衆議院を解散することが正式に表明されます。

なぜ衆議院が解散するのか。

 

その理由は「国民の信を問うため」であります。

つまり、現在政権を持っている政党が掲げている法案に関して、実行に移して良いか?を国民に確認するために解散が行われます。

 

解散総選挙によって大多数の票と議席を獲得することができれば、多くの国民が賛成していることになりますので、政策を実行しやすくなるのです。

このとき各政党は選挙でより多くの票を獲得するため、国民にとって魅力的な政策を掲げます。

 

なぜいま解散総選挙を行うのか

なぜ任期1年を残したタイミングで解散総選挙を行うのでしょうか。

その理由として、任期となる2018年12月まで待つよりも、ライバルが弱っている今のうちに解散総選挙を行ったほうが勝ちやすいと考えることができます。

 

民進党の不祥事が相次ぐなか、自民党の支持率は回復しつつあり、任期を4年伸ばせる可能性が高い今で解散総選挙を行うほうが有利なのです。

簡単に言うと、与党の支持率がピークを迎えているときに衆議院の解散が行われる傾向にあり、今後も継続して政権を握ろうという目的があります。

 

安倍首相は2019年10月の消費税増を予定通り行い、その引き上げ分を教育無償化や社会保障制度の財源に充てると公約に盛り込む狙いです。

選挙日程は10月10日公示、10月22日投開票が想定されています。

 

過去の解散時の株価推移と影響

過去の解散総選挙を振り返り、実施するにあたってどのくらいお金が動いたのか、選挙関連銘柄の株価推移も併せて見ていきましょう。

衆議院解散総選挙に使われる税金は約650億円

これまでの衆議院解散総選挙で選挙執行費用が最も少なかったのが、1996年8月の663億円。

最も多かったのは2005年9月の745億円となります。

 

2014年12月に行われた前回の解散総選挙では631億円と、非常に大きなお金が税金から使われているのです。

例を上げると、この650億円は東京スカイツリーの総事業費と同じ金額。

 

立候補者1人あたり5,000万円以上が使われていると憶測できますが、

その内訳として、宣伝カーのレンタルや燃料費、人件費、ポスターやチラシの印刷や看板の設置などが挙げられます。

 

それらの企業は選挙関連銘柄として真っ先に恩恵を受けることから、選挙時期は投資家に注目され株高となる傾向にあるのです。

過去、衆議院解散総選挙時はそのような株価推移だったのでしょうか?見ていきましょう。

 

衆議院の解散総選挙は大相場の始まり!

衆議院解散総選挙をさかのぼってみると、過去5回とも解散前後の日経平均株価は下がることなく、そのほとんどが力強く上昇していることがわかります。

 

日経平均株価の動き

  • 2005年は郵政解散と積極的な構造改革に強い政権の誕生 (第44回衆議院選挙)
  • 2012年は経済成長を重視するアベノミクスの始まり (第46回衆議院選挙)
  • 2014年は消費税増税延期による内閣支持率アップ (第47回衆議院選挙)

 

このようにインパクトある衆議院の解散総選挙時は買われやすくなります。

 

また、海外投資家は日本の政治活動に対して関心が高く、とくに衆議院の解散総選挙に敏感で近年活発な取引が行わている印象です。

選挙時の株価推移は一定の法則が存在していると言えます。

 

解散選挙の株価推移の傾向に応じた投資戦略

衆議院の解散に関する報道が出てから、株式市場では早くも関連銘柄への物色が強まり、アベノミクス継続の期待が高まっています。

全体相場の値動きの特徴

衆議院の解散総選挙で相場が上向きやすいのは、票を獲得するために魅力的な経済対策や構造改革が打ち出されることが理由として挙げられます。

つまり、プラス材料が出ると見越しての買いと、解散総選挙のサプライズ感が合わさり大相場になりやすいのです。

 

全体的な相場の特徴
  •  衆議院の解散が決まってから大きく上昇し、もみ合いになるものの投票1週間くらい前からもう一段高の上昇相場が形成される。
  •  投開票後も大きく上昇するケースもあれば、その日から長らく横ばいが続くケースもある。

 

投資戦略として『解散後に購入して投開票前に売却』が鉄板とされています。

 

噂で買って事実で売れ、という言葉があるように、新たな経済対策への期待から買われ、選挙を終えたら材料出尽くしで落ち着く場合があるのです。

今回の解散総選挙によって、支持率が高く、より強い政府が誕生するのであれば、海外投資家の厚い買いが入り、全体相場は長期的な上昇トレンドを描いていくと期待できます。

 

選挙関連銘柄の値動きの特徴

個別銘柄の場合はどうでしょうか。

投票に関する業務全般を請け負うムサシ(7521)のチャートを見ていきます。

 

ムサシ(7521)

選挙時には決まって注目される関連銘柄のひとつで、画像の矢印が指す投開票日の前後は出来高が急増しているのがわかります。

株価推移を見てみると、過去5回とも衆議院の解散総選挙前ではなく、終えた直後からの上昇が目立っており、半年もかからずに全て20%近くの上昇が見られます。

 

売りのポイントとして、海外投資家が重要な目安としている「内閣支持率40%」これを切りそうであれば売却のタイミングと見てよいです。

個別銘柄で追っていくとそれぞれに特徴はあるようですが、代表的な選挙関連銘柄であれば、このようにわかりやすい値動きが掴める傾向にあります。

 

選挙の株高というアノマリーがあるように、とくに盛り上がりが期待できる今回の衆議院解散総選挙は見逃せません。

では、選挙時に注目される代表的な銘柄を見ていきましょう!

2017年衆議院解散で上昇が期待できる選挙関連銘柄

今回の衆議院解散によって恩恵を受けると予想される代表的な選挙関連銘柄をピックアップしていきます。

【7521】ムサシ

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市場 ジャスダック
業種 卸売業
単位 100株
比較される銘柄 SPK、ジューテック、中山福
注目ポイント 投票用紙分類・計数機器でシェア断トツ。

 

投票用紙読み取り機や貨幣処理機、投票箱から記載台まで、選挙業務効率化を図る選挙システム全般を提供している。

選挙時に決まって注目される同社の時価総額は比較的小さく、短期でも期待できる値動きを見せてくれるだろう本命銘柄のひとつ。

 

【3955】イムラ封筒

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市場 東証一部
業種 パルプ・紙
単位 100株
比較される銘柄 光ビジネス、昭和パックス、中央紙器
注目ポイント 封筒最大手で国内シェア3割。窓封筒・請求書封筒に強み。

 

封筒事業では国内シェア3割近くの業界首位。

配送先データのリスト管理からプリント、ラベリング、封入、仕分け、配送までトータルに行っており、デザイン性の高い選挙向きの封筒も取り扱う。

 

【4708】りらいあコミュニケーションズ

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市場 東証一部
業種 サービス業
単位 100株
比較される銘柄 トランスコス、ベル24HD、パソナG
注目ポイント 三井物産系のコールセンター受託大手。全国に拠点展開。

 

旧社名もしもしホットライン。コールセンターの設置や運営を行うテレマーケティング大手で、リサーチやデータ分析が強み。

1988年の調査業務から主に政治や正極に関する世論調査を中心に行っており、選挙時期になると支持率などの調査依頼が増える。

 

【9735】セコム

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市場 東証一部
業種 サービス業
単位 100株
比較される銘柄 ALSOK、NTTデータ、ベネッセHD
注目ポイント 警備最大手。賃貸センサー付システム警備が主力。

 

業界首位のセコムはセンサー付きのシステム警備を中心に、情報セキュリティー分野のサービスも提供するなど幅広い警備を行っている。

時価総額が非常に大きいため、短期的な値動きではなく、カジノやオリンピックを見据えた長期的な値上がりを狙うのも良いかもしれない。

 

まとめ

今回は衆議院解散について書きましたが、解散総選挙に限らず大きなお金が動く選挙時の関連銘柄は活発になると言えます。

結論として、衆議院の解散総選挙は「買い」でしょう。

 

都知事選では、減災などの観点から小池候補が掲げていた電線地中化や待機児童解消などについて、関連銘柄への物色が見られました。

代表的なものとして挙げた選挙関連銘柄の4つはとくに物色されやすいので、選挙時には早い段階でチェックしておくとよいでしょう。