株式投資を考えるときに、短期投資と長期投資という二つの考え方があります。
そもそも株式投資は、利益を得ることを最大の目的として行う人がほとんどのはずです。
利益獲得の方法や考え方は、短期投資と長期投資で大きく異なってきます。
それぞれの投資方法を比較して、自分にはどの方法が向いているのかを考えてみましょう。
目次
株式投資による利益獲得の方法
株式投資には、大きく分けて二つ利益を生み出す方法があります。
キャピタルゲイン:購入時より株価が上昇した際に株式を売却し、その差額を得ること
インカムゲイン:株式を保有し続けることで配当金を得るもの
会社によっては株主優待が設定されていることもありますが、これもインカムゲインの一種と捉えて良いでしょう。
株式は本来インカムゲインを得るために保有するものでしたが、インターネット取引が発展した現代においては取引スピード自体も圧倒的に早くなり、キャピタルゲインを狙った投機的な投資をする人も増えました。
短期投資とは
短期投資には細かく分けて二通りの手法がありますが、いずれもキャピタルゲインを狙うものです。
デイトレード
購入から遅くとも当日中、早ければ数時間程度で売却する方法です。
株式市場が開いている間はずっと取引できる状態にしておき、値動きがあればすぐに購入・売却を繰り返し、利益をコツコツと積み上げていく方法です。
後述するスイングトレードや長期投資に比べると値動きの幅が小さいうちに取引をするため、リスクの少ない方法といえます。
サラリーマンなどには向かないですが、投資専門の方には最も向いている方法です。
スイングトレード
購入から数日、長くとも1か月程度保有し、その時の株価の状態を見て売却を行う方法です。
決算発表で業績が良かった・悪かったなどの大きなニュースがある場合、その翌日に株価は大きく変動する可能性が高いです。
好業績が予想される企業の株価をあらかじめ購入しておき、上昇した場合に即売却する方法で、デイトレードより利益の幅が大きくなります。
逆に、決算内容が悪い場合などは大きく株価が下がることもあります。
リスクも大きくなりますが、おそらく日中に取引ができないサラリーマンの方には最も向いている方法です。
短期投資のメリット・デメリット
短期投資のメリット・デメリットを見ていきましょう。
短期投資のメリット
そのメリットは、その日のうちに取引を何度も行うため、リスクが少ないことです。
株式はストップ高とストップ安というのが決められており、銘柄にもよるが、その日の株価が30パーセントほど値上がりまたは値下がりした場合、取引が止められます。
そのため、値動きの上限・下限が決まっているため、損をする場合の下限も決まっていることになります。
1日のなかで、そう大きく株価が変わることも滅多にありません。
短期投資のデメリット
短期投資は、一日中株式を行う画面にかじりつかなくてはなりません。
短期投資はその日のうちに何度も取引を行うため、株価等から目を離すことができないからです。
また、こまめに取引を行うため、証券会社に多くの手数料を支払う必要も出てくる。
そのため、短期投資で利益をあげるには、多くの投資資金が必要となります。
短期投資の手法・勉強の仕方
短期投資を行う際は、テクニカル分析を行うことになります。
テクニカル分析とは株価の過去の値動きパターンから将来の値動きを予想することです。
テクニカル分析を行い、次の株価等を予測し、売買を行うことになります。
デイトレードについて基礎の基礎から勉強されたい方には、オリバー・ベレス、グレッグ・カブラ著「デイトレード」(日経BP社)もおすすめです。
デイトレードに必要なメンタルなどについて記載されていて、非常に参考になります。
長期投資とは
長期投資とは、長期間株式を保有することで、配当金を得ることを目的とした投資方法です。
株式をその企業の決算日まで保有していると、保有株式数に応じて配当が行われます。これは株式を保有している間、毎年継続します。
配当の金額は企業の業績など様々な要因によって異なりますが、保有する株式の金額の1%~4%程度であることが多いです。
今後好景気が予想される場面においては同時にキャピタルゲインも期待できると同時に、日々の株価の変動に一喜一憂する必要がないので、どっしりと構えて投資をしたい人に向いている方法です。
また、長期保有により株主優待が貰えたり、その内容が良くなることもありますので、優待が目当ての方も長期投資となるでしょう。
ただし長期間保有する場合はその分株価の変動も大きくなるということですので、その分リスクも短期投資より大きくなります。
長期投資のメリット・デメリット
長期投資のメリット・デメリットを見ていきましょう。
長期投資のメリット
長期投資のメリットは、時間を取られないことです。
短期投資とは異なり、銘柄を購入してもすぐには手放さなく、数年~一生涯においてまで保有し続けます。
そのため、1日1回でも株価を見れば事足ります。
また、売買を繰り返すことはないため、余計な手数料があまりかからない点も長期投資の特徴です。
長期投資のデメリット
長期投資のデメリットは、購入した銘柄が塩漬けになりやすいことです。
いつ売却をするかなどがわかりにくいからです。
長期投資の手法・勉強の仕方
長期投資を行う際は、株価の上昇を見込んで銘柄を購入することになります。
その際、必要となる手法は「ファンダメンタル分析」という企業の財務諸表や国の経済状況を基に、株価を分析する手法のことです。
この手法を使い、割安な銘柄を購入することになります。
ファンダメンタル分析について勉強されたい方には、足立武志氏の「株を買うなら最低限知っておきたいファンダメンタル投資の教科書」(ダイヤモンド社)がオススメです。
財務諸表の読み方など、非常に参考になります。
IPO投資
IPOとは企業が新規に株式を公開することを指し、IPO投資とはその株式を企業が設定する公募価格にて購入する権利を購入するものです。
公開された株式の株価は、上場日に大きく上昇する確率が非常に高いです。
そのため株式の購入は抽選となることが多く、必ずしも購入できるとは限りませんが、当選した場合は利益を得られる可能性がかなり高くなります。
これも短期投資の一種と言えるでしょう。
IPO銘柄は証券会社によって公募しているところとしていないところがあるので、証券口座を多く持っておかないと申し込みすらできない場合も多々あります。
それぞれの投資方法のメリットとデメリット
株価は日々の中で大きく動くことは少ないため、デイトレードで大きく稼ぎを作ることは難しいですが、その分リスクも少ないため利益を積み上げやすいです。
株価が上昇傾向にあるのか、下降トレンドにあるのかを流れで把握しやすいため、企業の研究をじっくり行わずともできる投資方法でもあります。
それに比べてスイングトレードや長期投資は、ある程度企業の情報を知っておく必要があります。決算公開日や日々の企業ニュース、経済ニュースなどに耳を傾け、情報網を広く持つことで利益につながる可能性が高くなります。
特に長期投資の場合、企業の決算書などが読める人の方が有利なため知識を持つことが前提にはなりますが、景気というものは必ずサイクルがあるため、上昇局面を捉えれば利益を上げられる確率も高まるでしょう。
リスク管理
短期投資でも長期投資でも、リスクを管理することは非常に重要です。
保有する銘柄の株価が下がり続けて、膨大な損出を被ること可能性があります。
それを防ぐには、いくら株価が下がったら売却するとあらかじめ自分の中にルールを決めておくこと。そうすれば、膨大な損出を防ぐことは可能です。
また、自身の財産の全てを株式に入れ込むようなことはしないことです。
毎月の所得の10パーセントなど、決まった額のみで投資を行えば、損出を被ってもそこまでの痛手にはなりません。
まとめ
その人が持つ知識やリスクの許容範囲によって、投資方法の向き不向きは変わりますが、IPO銘柄を狙える状況であれば、まずはそれを狙いましょう。
短期投資か長期投資かを比べると、なるべく損をしたくない方は短期投資が向いているといえます。
その分、大きく利益を上げようとすればかなり利益を積み上げることが必要となり、毎日の取引の手間や株価の上下に精神的に耐えられることが必要となります。
逆に、多少の株価の上下を気にせず、気長に利益を得たい人は長期投資が向いています。
その場合は配当利率がなるべく良い株式を狙うと良いでしょう。
しかし、その場合でも大きく株価が下がる要因がないか、情報を得ることは大事です。
最終的にはやはり自己責任の世界ですので、自身がどの程度のリスクを許容できるのか、どの投資スタイルが向く性格なのかをまず把握し、株式投資に臨みましょう。
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